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業務改善における問題点の洗い出しとは?実践の方法やポイント

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さまざまな業界で人手不足が深刻な昨今、業務改善は重要な取り組みとなっています。適切な手順で業務改善を行うことで、会社の生産性向上やコスト削減につながるからです。そして、業務改善のステップの1つである「問題点の洗い出し」は、改善活動の成果に大きく影響します。

そこで本記事では、業務改善における問題点の洗い出しの重要性や具体的な手順、洗い出しの際に意識すべきポイントについて解説します。組織の業務効率化を検討している管理職や担当者の方は、ぜひご確認ください。

1.業務改善における問題点の洗い出しの重要性

問題点イメージ
まずは、業務改善の定義と問題点の洗い出しが重要な理由について解説します。

1-1.業務改善と問題点の洗い出しの関係

業務改善とは、業務が抱える課題を解決して効率化を行うことです。作業工程の無駄などを解消することで、企業全体の生産性向上や経費削減につなげることができます。そして、効果的な業務改善を行うためには、問題点の洗い出しを適切に行うことが重要です。

問題点の洗い出しとは、業務改善の手順の1つであり、業務における問題点を見つけることや原因を究明する作業を指します。業務改善を行う前提となるステップなので、改善活動で得られる成果に大きく影響します。

1-2.業務改善における問題点の洗い出しが重要な理由

企業にとって業務改善を実施するメリットは多いですが、問題点の選定を誤ると業務改善の成果を得られません。問題の本質を理解できていない状態だと、改善活動に割り当てたリソースが無駄になるおそれがあるためです。また、コストパフォーマンスの低い問題に取り組んでしまったり、手戻りが発生したりするリスクも考えられます。

つまり、適切な施策を実施するには、何よりも自社の課題を正確に把握することが重要だと言えます。問題点の洗い出しを適切な方法で行い、業務改善をスムーズに実行できるようにしましょう。

2.業務改善のための問題点の洗い出しをする方法

洗い出しイメージ
次に、業務改善で問題点を洗い出すための方法を紹介します。いくつかのアプローチで業務の現状を把握した上で、見つかった問題点に優先順位をつけていきます。

2-1.社内にヒアリングを実施する

ワークフローの問題点を洗い出すには、最前線で仕事をしている現場担当者の意見が必要です。直接対面のヒアリングやアンケートを通して、問題の有無や原因を聞き取りましょう。ヒアリングの精度を高めるために、以下のポイントを意識することが大切です。

・ヒアリングの対象者はできるだけ多くする
・役職や部署に関わらず幅広い従業員の意見を集める
・普段からヒアリングしやすい環境を整備しておく
・先入観を排除して従業員の思いを理解しようと努める

また、従業員の声を聞く中で「3M(ムリ・ムダ・ムラ)」が発生していないか調べましょう。3Mの例としては、厳しすぎる納期や業務の属人化、業務品質のばらつきなどが挙げられます。

もしも、トップダウン方式で上層部の意見だけを押し付けた場合、業務改善で十分な成果を得ることは難しいでしょう。例えば、業務の自動化を図るために上層部が独断でRPA(ロボティック プロセス オートメーション)ツールの導入を決めたとしても、施策が問題解決につながらなければ正しい判断とはいえません。

2-2.問題点の優先順位付けを行う

業務における問題点がヒアリングなどで明らかになったら、どの問題から解決していくか優先順位付けします。優先順位の詳しい決め方については後述しますが、すべての問題に対して解決方法を考えて実行することは困難です。費用対効果の低い問題に取り組むのは得策ではないので、優先度順に業務改善を行いましょう。

なお、優先順位と併せて設定しておきたいのがKPI(重要業績評価指数)です。KPIとは、目標達成するプロセスで企業や組織が目指すべき方向性を示す指標のことです。業務改善においては、改善効果を定量的に評価・検証するのに役立ちます。

例えば、営業部門の売上が低いという問題があったとして、大目標は売上を伸ばすことです。そしてKPIに設定されるのは商談率や受注率などの指標であり、これらの数値を継続的に測定することが業務改善の評価につながるのです。

2-3.フレームワークを活用する

問題点の洗い出しを効率的に行うには、フレームワークを活用することが効果的です。フレームワークとは、ビジネスの課題を解決する際に便利な思考の枠組みのことで、業務の流れを可視化できます。問題点の洗い出しにあたっては、以下のようなフレームワークが使われます。

1. ロジックツリー
2. バリューチェーン分析
3. なぜなぜ分析

・ロジックツリー
ロジックツリーとは、問題をツリー状に分解することで、多角的な視点から根本的な原因を特定する手法です。問題を深く分析することができるため、解決策にたどり着きやすいというメリットがあります。

・バリューチェーン分析
バリューチェーン分析とは、企業の事業を機能別に分類して、各事業活動においてどのような付加価値が発生しているか個別に分析する手法です。自社の強み・弱みを可視化できるため、事業戦略の改善点を検討するきっかけになります。

・なぜなぜ分析
なぜなぜ分析とは、問題の原因を探るために「なぜ?」と質問を繰り返し、問題の根本原因を洗い出す手法です。問題解決・再発防止に有効なフレームワークで、すぐに実践できるのもメリットです。

3.業務改善のために問題点の洗い出しをする際のポイント

最後は、問題点の洗い出しを行う際の注意点について解説します。時間と手間を要する作業なので、効率的に進められるように、以下の2点を意識してください。

3-1.優先順位を設けて重要度の高い問題の解決を目指す

問題点の洗い出しの結果、大小さまざまな問題が見つかることは珍しくありません。従業員へのヒアリングなどを通して現状把握を進めていくと、業務内容に対する細かな疑問や問題が見える化されます。

しかし、一度にすべての問題の解決は目指さないようにします。なぜなら、業務改善の本来の目的は、職場の業務フロー・業務プロセスを見直し、生産性の向上や職場環境の改善などを実現することだからです。現場で働く社員からは数多くの意見が寄せられますが、各々の問題の重要度や緊急度はしっかりと判断する必要があるでしょう。

問題点が出揃った後は、課題解決によって得られるメリットの大きさを比較検討し、費用対効果の高い問題だけを解消するようにしてください。

3-2.社内の意思疎通を図る

問題点の洗い出しの質を高めるためには、従業員同士のコミュニケーションを活性化することが重要です。社内での意思疎通が円滑になることで、以下のようなメリットが期待できます。

・属人化している業務が見つかる
・特定の個人のみが把握している問題が明らかになる
・問題点の洗い出しがスムーズに進む
・従業員のモチベーションがアップする

社内の情報共有が活発であれば、現場が抱えている問題を正確に把握できるようになります。一般的に、管理職や上司から業務の問題点を尋ねられると、部下は正直に答えられない傾向があります。そのため、日頃から本音で会話ができるような信頼関係を構築することが大切です。

なお、社内のコミュニケーションが不足している場合には、問題点の洗い出しが進まないだけでなく、業務改善そのものが浸透しない可能性があります。業務改善を実施する際は従業員への周知と教育を徹底する必要がありますが、意思疎通ができない状態では現場が混乱してしまうのです。

いずれにしても、業務改善を確実に遂行するためには社内コミュニケーションの活性化が欠かせません。

4.業務改善の成功には問題点の洗い出しが大きく影響する

業務改善を成功させる上で、問題点の洗い出しは重要なステップです。このステップで自社の問題点を正しく把握できなければ、施策を実行する意味がなくなってしまうためです。問題点の洗い出しを行う際は、社内のさまざまなチームと丁寧にコミュニケーションを取りながら、解決すべき問題を抽出するようにしてください。

また、見つかった問題点に対する改善策が思いつかない場合は、以下の記事がおすすめです。具体的なアイデアも紹介しているので、問題解決の参考にしてみてください。

業務改善のアイデア5選|アイデア出しのポイントと実践時の注意点

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