- 業種
- 製造・機械
- 従業員数
- 1000人以上
- 課題
-
- システム運用定着
- マニュアル工数削減
化学品を通して暮らしや産業のさまざまな分野を下支えしている化学メーカーの三洋化成工業株式会社様に、Dojoを導入した経緯と効果などについて話を伺いました。
暮らしや産業を支える化学メーカー
1907年、三洋化成工業株式会社の前身にあたる多田石鹸油脂製造所が京都市東山区で創業。1949年の三洋油脂工業株式会社の創立を経て、1963年に現在の社名となった三洋化成工業株式会社は、化学品を通して社会のあらゆる場面に広く深く浸透し、 暮らしや産業のさまざまな分野を下支えしている化学メーカーです。コア事業のパフォーマンス・ケミカルス(界面活性剤や高吸水性樹脂など、組成ではなく機能、すなわち、どのようなはたらきをするかが問われる化学品)は、自動車、住宅、化粧品・パーソナルケア、電子・半導体、医療、生活などの分野へ、3, 000種類以上の製品を供給しています。また、日本国内だけでなく、7カ国・地域、計23拠点にもグローバル展開しています。現在は「WakuWaku Explosion 2030」を経営方針とし、全社一丸となって持続可能なより良い社会の実現に向けて多様な課題解決に積極的に取り組んでいます。
導入の背景
基幹業務システムのリプレースでマニュアルが必要に
これまで当社では製品・資材物流と原価計算はスクラッチ開発、会計・固定資産管理はパッケージを使用してきましたが、維持管理に多大な工数がかかっていました。またこれからのDX推進を考えるとベースとなる技術が古いため、対応させるにはかなりのコスト・工数がかかることも問題となっていました。また、スクラッチ開発した基幹業務システムが稼働する汎用コンピュータの保守が2024年12月に終了するといった、時間的な制約もありました。以上のことから、2020年にSAP S/4HANA®への切り替えを前提とした「ERP推進プロジェクト」が発足し、活動をスタートしました。
新たな基幹業務システムですから、マニュアルはすべて刷新。しかも、相当なボリュームになることが予想されます。従来のような「スクリーンショットを撮ってWordやPower Pointに貼り付け、操作手順やコメントを書き入れて体裁を整える」といったやり方ではとても時間が足りません。一から手作業で作っていては、作り手により内容や表現にバラツキが出て体裁が統一できないことや、仕様変更で画面や操作が変わったりすることで、都度修正や作り直しが発生することも課題でした。
導入前の比較・検討
要件は紙にも動画にも出力できること
仕様や体裁を統一でき、分かりやすい内容で、多大な工数をかけることなく、期限内に必要なマニュアルを作らなければいけない、という点で、さまざまな方法や製品を比較・検討しました。
最初に検討したのは、操作場面を録画編集して動画マニュアル化したものを、タブレット等で視聴する方法です。しかし、動画編集のできる人員が少ないことや、生産現場では見比べたりポイントや要点を書き込んだりできるという点で紙出力するニーズも高いため、動画マニュアルは断念しました。
次に比較・検討したのが、作成したマニュアルを紙にも動画にも出力できる製品です。しかし、紙にも動画にもとなると、対応する製品が限られてきます。そこで注目したのがDojoでした。実は、過去に営業部門で業務効率化ツール検討の一環としてDojoのトライアルを実施しましたが、導入には至りませんでした。再調査の結果、操作を記録し、動画・紙出力のマニュアル・簡易操作のできるHTMLマニュアルが自動生成できる点、テンプレートにより体裁も統一できる点、仕様変更や操作が変わった際も修正が容易な点など、汎用性が高いDojoが最適と判断し、導入を決定しました。
検討ライセンス
Dojoは、①スタンドアロン版(USBキー認証)、②フローティング版(社内サーバー認証)、③オンライン版(インターネット認証)の3種類のライセンスがあり、①と②は「製品+年間保守」、③は「月額費用(1年間縛り)」です。総合的に判断し、当社は②のフローティング版を導入することにしました。
マニュアル作成のプロセス
2022年8月にオンライン操作説明会を開催してもらい、Dojoを使わずマニュアルを整備することにした会計を除き、購買、販売物流、生産の3チームが9月からDojoによるマニュアル作成をスタートしました。各チームが担当する業務システムは細かくパートが分かれており、開発と平行しながらの作成だったため、頻繁に内容変更がある状況でしたが、差し替えも容易なDojoのおかげで、利用者教育がスタートする11月に必要なマニュアルを準備することができ、2023年3月には無事全てのマニュアルを完成することができました。作成したマニュアル数は100以上で、現在はMicrosoft365のSharePointに構築したマニュアル共有サイトで参照やダウンロードができるようにしています。
導入後の評価
Dojoを使えば全体の7割は完成
効率という面では、非常に大きな効果がありました。Dojoをインストールしたパソコンでニュアルを作りたいシステムの操作を行えば、キャプチャー画面や文字用の吹き出しもDojoが自動的に作成してくれるので、操作を終えた時点で全体の7割は完成しています。残り3割の手直し(文字サイズ調整や加筆)は必要ですが、この7割の工数削減があったからこそ、わずかな期間で100以上ものマニュアルを作成できたと考えています。ソフトの機能以外に、手厚いサポートも助かりました。
<操作説明会>
各自のパソコンに評価版のDojoをインストールして、実際に操作しながら基本動作からさまざまな機能まで説明してもらえる、当社専用のオンライン操作説明会を無償で実施してもらえるのはいいですね(初級、中級の2回、上限パソコン50台)。マニュアル提示だけのところも多いので、本当に助かりました。
<操作性>
Dojoの基本操作さえ覚えれば、アプリケーションを起動して操作するだけなので、特別なスキルは必要ないと思います。操作の記録に重点が置かれているので、マウス操作や入力を行わなければ余計な記録はされません。ただし、紙に出力した際、画面で見たときよりもフォントサイズが小さくなってしまう点は、改善が必要かもしれません。
<綺麗なテンプレートが用意されている>
Dojoには、マニュアルの体裁を整えるテンプレートがいくつも用意されています。当社では利用するテンプレートを決めて、デザインを統一しました。
<サポート面>
操作や機能で分からないことがあったとき、サポートにメールしても短時間で返信があり、非常に助かりました。
今後の展開
全社でDojoを利用する
新基幹業務システムのマニュアル作成は一旦区切りがついたため、今後はDojoを全社に公開して利用する予定です。実際、東京オフィスなどの他部門から使ってみたいという声も上がっています。ただし、当社の契約は同時接続10名までのライセンスのため、利用がバッティングしない工夫が必要です。これについては、Microsoft365のリソース管理の機能を使って予約する方式で使ってもらうことを考えています。今後もDojoを活用していくつもりなので、今後の機能改善にも期待しています。
また、テンダさんにはDojoの講習会などもお願いできればと思っていますので、引き続き支援していただけると幸いです。
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