100カ所以上の施設の運営業務効率化にDojoを導入
マニュアル作成の時間と負担をDojoで軽減し、より良い支援を考える時間に
事務局 次長 有吉 孝之様(左)
大田区立うめのき園 主任支援員 サービス管理責任者 小倉 靖弘様(右)

障害のある方とその家族が豊かな市民生活を送るために、教育・福祉・労働などのサポート事業を展開している社会福祉法人 東京都手をつなぐ育成会様に、Dojoを導入した経緯と期待などについて話を伺いました。

導入前の課題

「東京都手をつなぐ育成会」の概要

1950年(昭和25年)に知的障害児の3名の母親が我が子の幸せを願って活動を開始したことに端を発し、都内各区市町村に次々と運動体である「東京都手をつなぐ親の会」(現名称)が結成されました。その事業体として、障害のある方とその家族が豊かな市民生活を送るために、教育・福祉・労働などのサポート事業を展開しているのが「社会福祉法人 東京都手をつなぐ育成会」です。
具体的な事業内容は障害福祉サービス事業、地域生活支援事業、通勤寮やグループホームの運営、さらに障害者の卒業後の進路、就労、日常生活、対人関係などの相談に応じる青年期相談事業など広範囲に渡ります。現在は障害のある方の幸せを願う親の思いを受け止めながら、当法人直営の事業所と、指定管理者として運営する区市の施設を合わせて62カ所、グループホーム98カ所を運営しています。
当法人の特徴は、「東京都手をつなぐ親の会」との両輪で活動している点です。これにより、「東京都手をつなぐ親の会」の要望を事業へスピーディーに反映・展開することができます。また、行政からの計画や声を「東京都手をつなぐ親の会」に伝えることもできますから、要望を現実的な施策につなげることが可能。今後も、障害のある方が主体性を持ちながら、幸せに暮らせる社会を目指して活動してまいります。

事業所ごとに業務ソフトが異なる

各事業所には福祉法人向けの業務ソフトなどを利用するPCがあり、それを利用するためのマニュアル作成に課題がありました。ひとつはマニュアル作成に要する手間です。WordやExcelに操作画面や写真を貼り付け、文章や矢印を入れてマニュアルを作成する作業自体が非常に大きな手間ですが、そういったITリテラシーを持たない人もいます。そもそもマニュアル作成に携わる職員は、決まっているわけではありません。基本的にそれぞれの現場の担当者が行うため、より現場に負担がかかっていました。
もっとも大きな課題は、事業所によって利用する業務ソフトや業務内容が異なることです。とくに指定管理者制度の下で運営する事業所などは、区市の予算や条例に従わなければならないため、システム環境を統一したくても難しい状況です。マニュアルを本部で作成し、各事業所に配布するといったこともできません。

Dojo導入のプロセス

主任・係長を通じて各事業所に周知

ある展示会でテンダさんのDojoを拝見しました。「マニュアル」というワードが気になり、詳しく伺うなかで合理的にマニュアルを作成できることに注目しました。実際の操作・手順などを記録し、その工程を自動キャプチャーしてマニュアルの体裁をつくってくれる点、それを編集して再利用できる点など、これまで行ってきたマニュアル作成の作業が単純かつ容易になると思いました。すぐに導入することを決め、準備にとりかかりました。
準備するなかで重要なのは、各事業所にDojoの導入をどう周知していくかです。そこで、各事業所に在籍する主任・係長に注目しました。主任・係長とは支援員、主任、係長、施設長という当法人の職層においてプレイングマネージャーの位置づけ。主任・係長は法人全体で100名ほどおります。各事業所の主任・係長が集まる主任・係長会(年約10回開催)でDojoの導入を素早く周知できると考えました。
これに講習会の開催という形でご協力いただいたのがテンダさんです。主任・係長会でDojoの導入を告知した後、主任・係長向けに2023年7月に2回、8月に2回ほどDojoのオンライン講習会を開催していただきました。初級、中級、上級といった内容で初級編は基本操作がメイン。上級編ではデジタル的な作成に加え、紙に印刷する方法までレクチャーしていただきました。この講習会の内容は本当に秀逸だったと思います。
初級編は全員参加を義務づけて約80名が参加。重要な業務で参加できなかった主任・係長には、講習会の動画をいつでも視聴できるようにしました。初級編だけでなく、4回の講習会すべて動画にしていただいたテンダさんには非常に感謝しております。

Dojoに対する評価

学んだことを自分のPCで実践

もちろん、Dojoの導入にあたってすべての主任・係長が納得したわけではありません。実際、「本当にマニュアル作成の労力を軽減できるのか」と半信半疑な声を聞くこともありました。有り難かったのは、テンダさんから主任・係長全員分のDojoアカウントを一定期間付与していただいたこと。視聴するだけでなく、講習会で学んだことを自分のPCで試すことができたのは大きなポイントでした。自分で操作しDojoの利便性を実感してからは、先ほどのような声は聞こえなくなりました。また、以下の点でもDojoを高く評価しています。

<マニュアル作成が5分に>
Dojoは思った以上に手軽で、少し慣れればすぐに使いこなすことができました。そこで、Dojo導入前後のマニュアル作成を比較してみました。比較対象にしたのは「ファイルサーバーに保存している個別支援計画データへのアクセス方法」というマニュアルです。導入前は、わずかなページ数にもかかわらず作成には1時間以上もかかっていました。これをDojoで行ったところ、わずか5分で作成することができました。

<更新のモチベーションを維持>
事業所では障害がある方の自立を促す就労支援の一環として、企業から委託される業務に取り組んでいます。業務にもよりますが、頻繁に仕様が変わる場合もあるため、立て込んでくるとマニュアルの更新が追いつきません。しかし、Dojoならゼロから作成し直すような更新も、自動で記録してくれますから苦になりません。更新のモチベーションを保つことができると感じています。

今後の展開と期待

前述の通り、事業所ごとに業務ソフトも業務内容も異なりますから、今後のDojoの活用については各事業所に一任する予定です。そのなかで我々が期待しているのは、デジタルに慣れている若い世代。Dojo の利用法を習得すれば、さまざまなアイデアが出てくるのではないかと考えています。現場が持っているアイデアを、ぜひDojoで実現してほしいと願っています。

目指すのは支援の時間を増やすこと

本来、我々が行うべき業務は、障害のある方とその家族へのさまざまな支援活動です。そのために、障害のある方の一挙手一投足に気を配り、状況を見極めながら、障害のある方の日常生活を包括的に支援。もちろん、臨機応変に対応していかなくてはなりません。例えば、機能低下が見られれば活動内容も変更していきます。加えて、日常生活支援だけでなく、マルシェやお祭りといった行事開催など、より幅広い支援や企画などを考える時間も必要になります。
マニュアル作成に限ったことではありませんが、付帯業務に時間を取られてしまうと、こうした支援活動の時間が削られていきます。当法人がDojoに期待するのはこの部分。従来のマニュアル作成にかかっていた時間をDojoで削減できれば、あらたなアイデアを考える時間を増やすことができます。

人材育成の効率化に期待

さらに、Dojoによってマニュアルが整備されてくれば、人材育成面で効率化が期待できます。例えば、新人職員がOJTで学ぶ場合、いつも先輩職員が手取り足取り教えてくれるわけではありません。しかし、マニュアルが充実していけば、わざわざ先輩職員に聞く必要はありません。マニュアルでの集中学習をすることができます。自分で調べる自主性も身につくでしょう。そうなれば、先輩後輩、お互いに自分の業務に集中できる時間が増えます。
一方、PCのDojoを使わない・使えない作業のマニュアル作成については課題が残っています。写真を撮ってDojoで編集する方法もありますが、PCの操作をマニュアル化する場合よりも手間や難易度が上がってしまうと感じています。テンダさんに相談したところ、「スマートフォンで写真を撮ってそのままマニュアル作成できるDojoウェブマニュアルがあります」とのこと。もう少し詳しくお話を伺いたいと思っています。

社会福祉法人 東京都手をつなぐ育成会
業種
組合・団体・協会
従業員数
1000人以上
課題
  • マニュアル工数削減
  • 人材育成・研修
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