業務マニュアルは、業務品質向上やスキル標準化といった効果をもたらす、重要な資料です。その一方で、紙媒体でのマニュアル作成では担当者の工数や印刷コストが生じる点が課題となっています。作成したマニュアルを改訂する際も多くの手間がかかります。既存の紙マニュアルでこうした課題を抱えている場合は、マニュアルの電子化がおすすめです。
本記事では、マニュアルを電子化するメリット・デメリットや、電子化する方法、注意点まで解説します。電子マニュアルは利便性が高い上に管理がしやすく、マニュアル利用の活性化が期待できます。ぜひ電子マニュアルの導入をご検討ください。
1.マニュアルを電子化するメリットとデメリット
初めに、マニュアルを電子化するメリットとデメリットを解説します。マニュアルのデジタル化へ向けて、長所と短所をそれぞれ理解しておきましょう。
1-1.マニュアルを電子化するメリット
・検索性が高められる
電子マニュアルは、条件を設定して検索すると、必要な情報へスムーズにアクセスできます。例えば、「フォルダ検索」「キーワード検索」「履歴検索」などの検索機能を活用すれば、目的の情報を簡単に参照でき、業務効率化に役立つでしょう。
・情報の更新と共有がしやすい
電子マニュアルは情報の更新や修正が手軽にできるため、業務内容や手順が変わった場合も、ナレッジ共有を効率化できます。また、インターネット環境が整っていれば、スマートフォンやタブレットなどのデバイスから時間や場所を選ばずに情報共有が可能です。リモートワークにも適しています。
・保管スペースを減らせる
電子マニュアルによって社内のペーパーレス化を推進すると、従業員に紙の冊子を配布する必要がなくなり、印刷・保管コスト削減につながります。さらに、取扱説明書や操作マニュアルのように情報量が膨大なマニュアルも端末があれば閲覧可能で、冊子よりも容易に持ち運びしやすい点が便利です。
1-2.マニュアルを電子化するデメリット
・端末がないと使用できない
電子マニュアルを利用するには端末が必須です。そのため、端末のバッテリー不足や不具合が生じると、マニュアルを閲覧できなくなる可能性があります。また、マニュアルの利用にインターネット環境が必要な場合は、システム障害による影響が生じるおそれもあるでしょう。
・視認性が低下するおそれある
端末のサイズや画質によっては、電子マニュアルに掲載された文字や図が見えづらい場合があります。また、人によってはデバイスの画面によって目が疲れたり、電子マニュアルの操作が難しいと感じたりするケースもあるでしょう。
・電子化に時間や労力がかかる
マニュアルを電子化する際は、電子マニュアルに掲載する情報を整理する手間や、紙のマニュアルをスキャンまたはデータ化する手間がかかります。マニュアル作成の担当者に専門的な知識が求められたり、専門の機器が必要となったりするケースもあります。
2.マニュアルを電子化する主な方法
マニュアルを電子化するには複数の方法があります。作り方によって作成の手間や、管理・閲覧・更新のしやすさが異なるため、複数の方法をご検討ください。自社のマニュアルの内容や利用環境に合わせて、以下の方法から選定しましょう。
2-1.PDFファイルに変換する
紙のマニュアルをスキャナーで読み取り、電子保存する方法です。スキャナーがあれば手軽に電子化が可能で、紙のマニュアルの内容をそのまま利用できます。ただし、PDFファイルは編集や修正がしにくいのが難点です。また、設定によっては画質が落ちる場合もあります。
2-2.パソコンで使えるソフトを使用する
文書作成ソフトや表計算ソフトでマニュアルを作成し、ファイル保存する方法です。社員が業務で使用するソフトで作成するため、誰でもドキュメントを編集しやすいというメリットがあります。一方で、作成者によって文書の形式やファイルの保管方法が統一されていない場合は、管理が煩雑になるおそれがあります。
2-3.HTMLを使用して作成する
マニュアルをWebページ化する方法です。マークアップ言語であるHTMLを使ってWebページを作成します。検索精度が高く、一斉に情報更新やノウハウの共有ができる点が強みです。ただし、Webページの作成には専門的な知識が求められます。
2-4.マニュアル作成専用のツールを用いる
マニュアル作成専用のツールを導入する方法です。ツールに搭載されたテンプレートや自動機能を活用して作成や保存を行います。マニュアル作成に特化した豊富な機能を使えば、作業の時間と手間を削減できます。その際は、統一されたフォーマットやデザインを用いるため、マニュアルの品質が一定に保たれる点も魅力です。作成したマニュアルをクラウド上で保存できるツールなら、更新や共有もスムーズに対応できます。なお、ツールを導入するには初期費用やランニングコストが発生します。機能や価格はサービスによって異なるため、自社の目的に適切なツールを選ぶことが大切です。
3.マニュアルを電子化するときの注意点
最後に、マニュアルの電子化で効率的な運用を実現するにあたり、注意すべき点をお伝えします。マニュアルを電子化する際は、以下のポイントに注意して取り組みましょう。
3-1.事前に電子化をするマニュアルの整理を行う
マニュアルの電子化にともなう現場の混乱を避けるため、事前に電子化する部分を明確にしましょう。電子化が必要な書類を選別したり、電子化後の利用しやすさを考慮してサイズや形式を検討したり、あらかじめ準備しておくと安心です。
3-2.スモールスタートで取り組む
マニュアルの電子化はスモールスタートで取り組みましょう。一気に取り組むよりも、複数のステップに分けた上で高い効果が期待できる部分から電子化を進めるのがコツです。更新頻度の高いマニュアルや重要なマニュアルを優先すると良いでしょう。電子化の効果を確認しながら、段階的に拡大していきます。
3-3.セキュリティ対策を徹底する
業務マニュアルには自社の機密情報が含まれます。内容が社外へ流出するのを防ぐために、情報の重要度に沿った対策を検討しましょう。まずは、マニュアルの取り扱いに関して運用ルールを取り決めます。さらに、閲覧パスワードを設定したり、セキュリティソフトを導入したりする対策を講じます。不正アクセスや情報の改ざんを防ぐには、アクセス制御が効果的です。アクセス権限を設定したり、アクセスログを見える化したりすることで、ログの記録と定期的な確認を行います。
3-4.保守の体制を整える
電子マニュアルを作成したら、予期せぬトラブルに備えてバックアップを取っておくことが重要です。また、作成したマニュアルは定期的に見直して内容の更新を行うと、利便性が向上します。社内のサポート体制を整えて、トラブル対処や不明点の問い合わせ対応ができるようにしましょう。
4.マニュアル電子化には専用ツールの活用がおすすめ
マニュアルを電子化すると検索性の向上や情報共有の効率化が期待できます。ペーパーレス化により紙書類を扱うコストを削減できるのもポイントです。業務マニュアルを電子化する際は、マニュアル作成に特化したツールを活用すると、作業コストを抑えながら高品質なマニュアルを作成できます。その際は、ぜひ業務マニュアル作成ツール「Dojo」をお役立てください。「Dojo」の機能を活用すれば、マニュアルの作成や更新を自動化して、最大で96%の工数削減につながります。読み手を意識したわかりやすいマニュアルを作成するために、フォーマットを統一できるほか、動画マニュアルの音声合成やエフェクトなどの機能も充実しています。作成したマニュアルは一般的なPCソフトはもちろん、PDF、HTMLなどにも簡単に出力できます。マニュアルの電子化は、便利な機能が豊富な「Dojo」へお任せください。
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