
業務マニュアルを作成する際、テンプレートの使用は欠かせません。マニュアルの骨子となる部分があれば、記載内容に抜け漏れが出づらく、デザインにも統一感を持たせることができるためです。また、早い段階でマニュアルの全体像が明確になるため、作成にかかる時間も短縮できるでしょう。読み手としても、テンプレートに沿ってレイアウトやデザインが整理されていれば、見やすく使いやすいマニュアルになります。
そこで本記事では、マニュアル作成にテンプレートを使用するメリット・デメリット、テンプレートの作成方法、マニュアルを分かりやすくするコツなどをお伝えします。
INDEX
1.マニュアル作成にテンプレートを使用するメリット
マニュアル制作に着手する前にテンプレートを作成しておくことで、以下のようなメリットが考えられます。
1-1.記載すべき項目の抜け漏れが発生しづらい
マニュアルを制作する際にチェックしておきたいのが、「記載する項目に抜けや漏れがないかどうか」という点です。制作途中に重要なポイントを記載するのが漏れていたりすると、改めて記載内容をチェックする手間がかかってしまうだけでなく、マニュアルの構成そのものを変更しなければならない事態に発展するかもしれません。
重要な項目をまとめたテンプレートをあらかじめ作成しておくことで、記載項目をあらかじめ確認しておくことができます。マニュアル制作をスムーズに進めるための助けになるでしょう。
1-2.マニュアル作成にかかる時間を短縮できる
イチからマニュアルを制作する場合、どのソフトを使用してマニュアルを制作するか、フォントは何にするか、どんな内容をどんな順番で記載していくか、ページ数はどうするか、といった全体の構成を考えるために多くの時間が取られてしまいます。
それに対して、大まかな構成を記載したテンプレートをあらかじめ作成しておけば構成を考える手間を省くことができるので、マニュアル制作全体でかかる時間も短縮できます。
1-3.マニュアルのクオリティを担保できる
記載されている文章の内容だけでなく、画像の配置やデザインの良し悪しなど、マニュアルのクオリティを左右する要素は数多くあります。しかも、それらの要素はマニュアル制作者のスキルに依存する部分が大きいので、制作者によってクオリティにバラつきが出てしまうことが考えられます。テンプレートは、そのような事態を事前に防ぐためにも有効です。
例えば、文章の体裁や画像の配置、デザインの方向性などを記載したテンプレートを準備しておくと、制作者はテンプレートを踏まえてマニュアルを制作できるようになります。製作者ごとに生じていたクオリティのバラつきも抑えられるので、マニュアルのクオリティを担保することにつながります。
2.マニュアル作成にテンプレートを使用するデメリット
このように、テンプレートを作成しておくことでさまざまなメリットがありますが、テンプレートを作成することによるデメリットもいくつか生じる可能性があります。
2-1.テンプレートを完成させるまでに時間がかかる
テンプレートを作成する際は、「どのようなマニュアルが見やすいのか」を把握しておかないと有効なものを作成することができません。そのため、事前に担当者にヒアリングしたり、試作してフィードバックをもらうといった時間がどうしても必要になります。
今後のマニュアル制作をスムーズに進めるためには、テンプレート作成である程度の時間がかかってしまうことを理解しておきましょう。
2-2.マニュアルの内容変更に対応しづらい
効率化できるポイントを見つけたり、仕様変更があったりすることで、業務の内容が変わっていくことがあります。細かな変更の場合は一部を変更することで対応できるかもしれませんが、大きな変更があった場合はテンプレート自体を大きく修正する必要が出てくるかもしれません。
2-3.マニュアルの内容とマッチしない場合がある
社内では、日々さまざまな業務が行われています。それらを網羅するマニュアルのテンプレートを作成しようとしても、内容がマッチせずにどこかで無理が生じてしまいます。
テンプレートを作成する場合はひとつですべてを網羅するようなものを作るのではなく、「総務マニュアルのテンプレート」「営業マニュアルのテンプレート」などいくつかの種類に分けて作成することで、効率的にマニュアル制作を進めることができるでしょう。
3.ワードでマニュアルテンプレートを作る方法
ワードでマニュアルテンプレートを作成する際には以下の流れで実行します。
3-1.テンプレートのベースになるファイルを用意する
マニュアルの各ページのベースとなるファイルを作成します。過去に作成した別のマニュアルと同じデザインにしたい場合は、そのファイルをテンプレート化すると良いでしょう。表紙、目次、見出しページなど、レイアウトの異なるページごとにベースとなるファイルを用意してください。
3-2.不要な内容や数値を削除する
テンプレートに書き換えが必要になる部分が多いと作業効率が悪くなります。書き換え不要なデザインや文言を残して、毎回変更される文言やや数値などは削除しておきます。
3-3.テンプレートファイルとして保存する
不要な内容を削除したらテンプレートとして保存します。ワードで作成した文書を保存するときは、「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択します。通常は「ファイルの種類」を「Word文書(*.docx)」として保存することが多いと思いますが、テンプレートの場合は「Wordテンプレート(*.docx)」または「Word97-2003テンプレート(*.dot)」として保存します。社内で使用しているワードのバージョンが統一されているなら前者、「Word 2003」以前のバージョンを使用している人もいるなら後者を選択すると良いでしょう。
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4.作成したマニュアルテンプレートの使い方
作成したテンプレートを使用してマニュアル用の文書を作成するのは、以下の手順で行います。
4-1.ワードを起動してテンプレートを選択する
ワードを起動するとテンプレートの一覧が表示されるので、使用するテンプレートを選択します。自分で作成したテンプレートを使用する場合は「個人用」をクリックすると一覧が表示されるのでその中から選択しましょう。
4-2.テンプレートを編集して文書作成する
作成したテンプレートを使用する場合、一覧から選んでクリックするとファイルが開くので、文字の入力など編集を行います。
4-3.ファイルを保存する
編集を終えたらファイルを保存します。作成した文書はテンプレートではないので、通常のWord文書として保存してください。
マニュアル作成に便利な、ワードでのテンプレートの作成方法と使用方法についてお伝えしました。見やすく使いやすいマニュアルのために、ぜひテンプレートを使用することをおすすめします。
5.マニュアルテンプレートを作成する際のポイント
マニュアルのテンプレートは、以下のポイントを意識して作成しましょう。
5-1.マニュアルの用途に合わせて複数のテンプレートを用意する
前述しましたが、マニュアルの内容によってはテンプレートを使用するのに無理が生じてしまうものもあります。そのため、業種に合わせてテンプレートを作成しておくことがおすすめです。
最初は業種ごとにテンプレートを用意する手間がかかるかもしれませんが、それぞれの業務に特化したテンプレートを作成しておくことで、マニュアル制作・修正の際に抜け漏れが発生しにくくなります。見やすいマニュアルを制作することにもつながるので、テンプレートは複数用意しましょう。
5-2.記載内容の変更に合わせてテンプレートを修正できるようにする
業務内容はどうしても変わっていくものなので、マニュアルに記載する内容もそれに応じて変更する必要があります。そのため、テンプレートを作成する際も「内容が変更になることを前提として」作成することで、後々に発生する修正作業を楽にすることができるでしょう。
5-3.テンプレート作成後も運用と改善を繰り返す
「テンプレートをもとにマニュアルを制作したら、それで終わり」というわけではありません。実際に運用して、改善点が見つかったら修正をしていくことで、より良いマニュアルを社内に残すことができます。
マニュアルを修正する際は、修正部分に関連したテンプレートの内容も併せて修正することで、次に制作するマニュアルに改善点を生かすことができます。大変だと感じるポイントかもしれませんが、現場の声をマニュアルやテンプレートに反映することで業務効率化が期待できます。少しずつ着手してみましょう。
6.分かりやすいマニュアルを作成するためのコツ
読み手が理解しやすいマニュアルにするため、作成時には以下のポイントを押さえておきましょう。
6-1.シンプルな文章とデザインを心がける
まず文章の書き方に関しては、短く、簡潔にすることが大切です。冗長なマニュアルは読みにくいので、要点を押さえて記入することを心がけましょう。また、未経験者が見ても理解できる内容が望ましいです。読み手の知識や経験値などに合わせ、できる限り専門用語を使わないのがポイントです。読み手の視点が欠けてしまえば、社内マニュアルとして機能しなくなり、業務の属人化が進んでしまいます。
デザインについては、複雑なものでなくシンプルで分かりやすいものにしましょう。マニュアルの目的は、読み手が作業内容や作業手順を理解し、正確に業務を遂行できるようにすることだからです。マニュアルのテーマを明確にした上で、重要箇所を太字にしたり、マーカーを引いたりすると分かりやすくなります。
6-2.文字だけではなく写真や動画、図解を挿入する
文字だけで伝わりづらい点は、写真や図表を入れると良いでしょう。記載内容が視覚的、直感的に分かりやすくなり、読み手の理解を促すからです。なお、写真・図表を入れるコツとしては、文章量とのバランスを取りながら適度に挿入してください。図解が必要な場合は、解説文を添えればさらに分かりやすくなります。
また、マニュアルの一部、あるいは全部を動画化するのも効果的です。動画マニュアルは伝えられる情報量が多く、具体的な作業工程を正確に共有できます。印刷の必要もなく、スマホやタブレットから気軽に確認できるため、業務の標準化が実現しやすいです。
6-3.5W1Hを意識して作成する
従業員がマニュアルの内容を正確にイメージするためには、作成時に5W1Hを心がけることが重要です。つまり、「誰が」「何を」「いつ」「どこで」「どのような作業を」「なぜ行う」といった項目を明確に記載することで、読み手に伝わりやすいマニュアルになるのです。作業の流れが理解できるよう、フローチャートを挿入するのも良いでしょう。
反対に、情報が整理されていないマニュアルは作成しても使われない可能性があります。誰にでも伝わる内容にしない限り、未経験者が先輩社員に質問することになってしまうからです。そうすると業務効率化や業務品質の安定は望めませんし、経費の削減にもつながりません。
6-4.マニュアル作成ツールを活用する
マニュアル作成には、デザインやレイアウトなどの専門知識が必要です。作成担当者にマニュアル作りのノウハウがない場合には、マニュアル作成ツールを活用するのが良いでしょう。マニュアル作成ツールの特徴およびメリットとして、以下が挙げられます。
・誰でも分かりやすいマニュアルが作れる
・テンプレートが用意されている
・デザインに統一感が出る
・更新・改訂内容を素早く共有できる
・クラウド内にマニュアルを格納可能(テレワークに対応)
・動画マニュアルを作れる など
なお、マニュアル作成のより詳細な作成方法については、下記の記事をご確認ください。
7.マニュアル作成ソフト「Dojo」ならテンプレート作成も簡単!
今回はマニュアル作成におけるテンプレートの役割や作り方、分かりやすいマニュアルにするコツなどを解説しました。テンプレートはワードでも作成できますが、より簡単にテンプレート化されたマニュアルを作るなら、自動マニュアル作成ツール「Dojo」の使用をおすすめします。
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