効率的に仕事を行う上で「業務マニュアル」の作成と活用は非常に重要なポイントです。業務マニュアルを作成することで、新人教育の効率化や業務効率の向上、作業品質の確保などのメリットが期待できるからです。一方で、作り方のノウハウがなければ簡単には完成しません。
そこで本記事では、マニュアル作りが上手い人の特徴、意識すべきポイントとコツ、作成前の事前準備などを解説します。マニュアル作成の工数を削減できる便利なツールもご紹介するので、マニュアル作成を検討中の管理者・研修担当者などは、ぜひご確認ください。
INDEX
1.マニュアル作りが上手い人の特徴
まずはマニュアル作りが上手い人の特徴を3つ説明します。苦手意識を持っている方は参考にしてみてください。
1-1.物事をわかりやすく伝えることができる
マニュアル作りが上手い人は、専門用語などをわかりやすい言葉に言い換えることができます。マニュアルを使うユーザーのレベルをイメージし、業務に関する知識がない人の場合でも理解してもらえるような表現で説明するのです。
ただし、経験豊富なスタッフには適度に専門用語を活用することが大切です。新入社員と違い知識の量が多いので、無駄な情報が多ければ次第にマニュアルは活用されなくなるからです。マニュアル作成者がユーザーに合った適切なレベルを把握できていなければ、業務の基本が身に付かずに、仕事で大きなミスにつながる可能性があります。
また、漢字とひらがなのバランス、句読点の多さ、効果的な改行、適切な言い回しなどがわかりやすさにつながります。
1-2.関係者とのコミュニケーションが図れる
関係者から話を引き出すことができる能力も重要です。マニュアル作成は作成者だけで完結するものではないからです。そのため、マニュアルの作成に必要な業務関係者と綿密なコミュニケーションを図り、協力を得ることが大事です。マニュアルの対象となる業務内容を担当者からヒアリングしましょう。
また、現場で求められている内容をマニュアルに反映するという意味でも、コミュニケーションは欠かせません。ユーザーがマニュアルを実際に利用した際に、わかりにくい部分がないか聞き取りを行い、マニュアルの内容を改善しましょう。例えば「字が小さい」、「情報が古い」、「現場の作業と乖離がある」などという意見があれば、改善策につなげることができます。
その他、職場のメンバーだけでなく、専門家の意見を取り入れることも大切です。
1-3.マニュアル化する対象に詳しい
マニュアルにする業務に関する知識を持っていることは大切です。作業を行う理由について理解していれば、その手順の重要性を認識することができ、業務の質が向上するからです。反対に、対象の作業が必要なものなのかどうかが曖昧だと、作業者によって仕事の品質にばらつきが出ることがあります。
なお、業務で何らかの失敗が発生したときには、その原因や内容などの関連情報を集めましょう。フィードバックをマニュアルに反映することで、再度失敗をするリスクを減らせる可能性があります。
2.マニュアル作りが上手い人が意識しているポイントとコツ
次にマニュアル作りで注意すべき4つのポイントを解説します。
2-1.【Point1】作成目的の設定
マニュアルに含める内容を特定するため、マニュアル作成の目的を決めましょう。目的の例としては以下が挙げられます。
・作業の効率化
・作業品質の確保
・統一されたチェックリスト作成
また、マニュアルを使って研修を行う場合にも、作成目的の設定は重要です。新入社員がどれくらいのスキルを身に付けることを目標とするのか、明確にしておきましょう。特に接客スキルはばらつきが出やすいと言われているため、マニュアルを整備することが大事です。具体的な事例としては、以下が挙げられます。
・社会人マナーを身に付ける
・業務フローの変更を認識する
・基礎的な知識やスキルを獲得する
目的に応じたマニュアルを作成することで、皆が同じ意識で業務を遂行できるようになり、新人教育にかかる手間や時間も削減できる可能性があります。
2-2.【Point2】作成スケジュールの設定
マニュアルの完成までの作成スケジュールを設定しましょう。期日を決めることで完成までの工程を逆算して考えやすくなるからです。作成期間、修正期間、仮運用期間の3つについて、日程に余裕を持って設定します。
例えば、新入社員用の研修マニュアルを作成するならば、少なくとも4月までに完成するよう逆算する必要があります。なお、仮運用期間に現場スタッフから得たフィードバックをマニュアルに反映することで、より実践的なマニュアルに改善できます。
2-3.【Point3】使いやすい目次の作成
目次で業務内容の全体像が把握できるようにしましょう。必要な情報を見つけやすくなり、生産性の向上が期待できるからです。そのため、目的で項目を分ける「階層構造」にするほか、大見出しと小見出しを使い分けるなどの工夫が必要です。
また、目次を設定する際は、見出しを見ただけで業務フローや記載内容がイメージできるようにして、検索性を高めるのがコツです。あとは重要な情報が見落とされることがないように注意しましょう。
2-4.【Point4】視覚的なわかりやすさの追求
マニュアルを開いてすぐに書かれている内容がわかるよう、文章を短くしましょう。その代わりに図やイラスト、フローチャートを使用して視覚的に伝えると、作業の流れが把握しやすくなります。
注意点として、図や写真などの数・配置を間違うと、かえってユーザーに読みづらい印象を与える可能性があります。図や写真の数については、文字とのバランスを見て構成し、配置は図や写真を左にすると良いでしょう。人間の目と脳は、左がグラフィック、右がテキストという配置で情報を理解するのが得意だからです。その他、マニュアルに動画を挿入したり、マニュアル全体を動画にしたりする手法も増えています。
3.マニュアル作りに役立つツール
効率的にマニュアル作成をするなら、ツールを活用するのも有効です。
3-1.文書作成ソフト
一般的なマニュアル作成では、通常業務で使用しているワードなどの文書作成ソフトを利用することが多いです。共同編集ができるGoogleドキュメントなどは広く活用されています。文書作成ソフトはツールの導入に追加の費用が発生せず、ランニングコストもかからないことが魅力です。その他、デザインの自由度の高さなどのメリットもあり、現在でも多くの企業で採用されています。
一方、作成途中の修正や作成後の内容の変更が難しいことはデメリットでしょう。レイアウトは自分で作成する必要がありますし、更新時にレイアウトが崩れるリスクがあります。また、マニュアル作成に特化したソフトではないので、動画や画像の挿入は難しく、管理・共有がしづらいという面もあります。加えて、作成者のスキルに依存しがちなので、マニュアルの品質は安定しないおそれがあります。
マニュアルの品質の高さと運用のしやすさを重視するならば、マニュアル作成ツールを導入することをおすすめします。無料で利用できる製品もあるので、無料トライアルの申し込みや資料請求をされてはいかがでしょうか。
3-2.マニュアル作成ツール
品質の高いマニュアルを作るならば、マニュアル作成に特化した専用のツールを使うと良いでしょう。マニュアル作成の作業は属人化しやすい面もありますが、マニュアル作成ツールはどのような人でも高品質なマニュアルを作れるような機能を有しています。
例を挙げると、画面の指示に従って入力するだけでマニュアルの作成ができるツールや、eラーニングなどに活用しやすい動画マニュアルの作成ツール、作業手順をまとめた文書である手順式マニュアルツール(手順書)などがあります。
使いやすい作成ツールの場合、マニュアル作成にかかる時間やコストを減らすことができるでしょう。選び方のコツは、組織の課題を解決する機能を有するかどうかです。例えば、言語化しづらい作業工程があり、既存のマニュアルが文章だけで理解しづらいことが課題ならば、動画式マニュアルの導入が解決策になりえます。
4.自社でマニュアル作りを始める前に決めること
ここからは、自社でマニュアル作りを始める前にすべきことを説明します。
4-1.作成担当者・利用するツールの決定
最初にマニュアル作成の担当者を決めます。責任者を明確にすることで、マニュアルが作成されない、あるいは更新されないといったトラブルを回避できるからです。ただし、社内にマニュアル作成が上手い人がいない場合、既存社員を育成する必要があります。
また、マニュアル作成のツールを決めましょう。ワードなどの文書作成ソフトを利用するのも選択肢の1つですが、自由度が高くマニュアルの出来が作成者の文書作成能力に左右されやすいというデメリットがあります。マニュアル作成ツールであれば、作成者のスキルに関わらず、スムーズにマニュアルが作ることが可能です。
4-2.外部ツールの利用の検討
社内でマニュアル作りが上手い人が見つからない場合は、外部ツールを利用する方法もあります。外部ツール選びのコツは、導入の目的を意識することです。ツールによって「テンプレートが多い」、「複数人で編集できる」などの違いがあるので、会社の課題を解決できる機能があるかチェックしてください。
テンダのマニュアル作成ツール「Dojo」なら、効率的に作成することができます。Dojoはマニュアルの自動作成機能を備えており、マニュアル作成の手間を大幅に削減できる可能性があります。例えば、パソコン上で実際に操作している画面が、自動的にマニュアルに取り込まれます。マニュアル作成に習熟していなくても、作成にかかる時間の短縮を図れるでしょう。
また、Dojoなら作成途中の修正や作成後の更新も簡単にできます。常に最新の状態にできるので、社員にとって使いやすいマニュアルになります。
5.マニュアル作りに悩んだら作成ツールもおすすめ
マニュアル作成が上手い人の特徴を押さえることで、社内で活用されるマニュアルが完成します。しかし、使いやすくわかりやすいマニュアルを作るのは簡単ではなく、定期的な更新作業も必要です。
マニュアル作成や運用にかかる時間を短縮するなら、テンダのマニュアル作成ツール「Dojo」がおすすめです。手軽に高品質なマニュアルができますので、まずは無料トライアルをお試しください。マニュアル作成工数を最大で96%削減することができるだけでなく、教育・運用コストの削減にもつながります。
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