終わりの見えない残業。無駄と感じる資料作成。情報共有不足による進捗の遅れ。普段の仕事で行き詰まりや違和感を覚えたら、それは業務効率が悪いサインかもしれません。今まで決められていたルールや業務の流れを変えるためには、多角的な視点が必要で、部署や企業全体の協力が欠かせないでしょう。社内の全体の業務効率の向上を考え、見直すべきポイントを洗い出し、どんな仕事管理で業務を進めたら良いか、効率を上げるための方法をまとめました。小さな領域から始め、組織全体が変わっていける仕組みを作っていきましょう。
業務効率のUPのためには「無駄の排除」
無駄な作業で時間外労働になってしまうのは避けたいところ。負のスパイラルで疲弊し、顧客情報の取り扱い、現場や製造ミスを誘発しないようにするためにも「無駄」の排除は必要です。
「時間」「人」「もの」など、限られたリソースの中で無駄に消費してしまっているものがないか、まずはチェックしてみてください。一日、一週間〜1ヶ月間の仕事のスケジュールをおさらいし、一番多く時間を取っている業務から見直していくのが効果的。
内容の薄い会議、必要のないコピーなど、大きい無駄は部署や社内全体で共有している業務に発生する場合が多いです。改善を求める際は、部署全体を巻き込んで、みんなで協力して変えていきましょう。
業務を見直すためのミーティングの時間を定期的に設け、社員一人ひとりに課題として意見を出すよう求めれば、社内の問題点と共に改善につながるアイデアを聞きだすことができるでしょう。
集中して目の前の仕事に取り組むことも大切ですが、現状の立ち位置から会社全体を俯瞰して考えられる視点を育むことも大切です。
部署ごとに「業務の可視化」
細かく業務を見直していく際は、業務内容をきちんと紙やデータで書き起こしていく、業務の可視化が重要です。一人ひとりの業務内容を洗い出すことで、業務の無駄のみならず、仕事量の分配のムラなども発見でき、仕事効率の改善も行えます。
社員の仕事量をきちんと把握できないと、上司が部下にキャパシティを超えた仕事量を割り振ってしまい、結果業務効率が低下してしまう可能性も。仕事量をパーセンテージで表す、大体の作業時間を出しておくなど把握できる体制であれば、手の空いている人に適切に仕事を割り振っていくことが可能でしょう。全体を広く見渡す必要があるため、可視化は管理職や人事部門など上の立場にある人が率先してまとめていくのが得策です。
また、社員一人ひとりに自分の労働状況をきちんと把握させておくことで、毎日のスケジュール・目標設定に役立ちます。さらに、一日の仕事ぶりを振り返り客観的な自己評価をさせるミーティング行う。こういった取り組みにより、従業員の業務効率に対する自発的な発想を促し意識改革ができるでしょう。
はじめは難しく感じるかもしれませんが、一度システムを構築してしまえば大した時間を取られることなく、業務を見直していくことができます。体制やシステムの変革期は、状況が落ち着くまで時間がかかることが一般的。会社全体の習慣として定着させていくことが、見える化を成功させるカギです。
ツールを利用して、効率化をはかる
今まで紙、手書きなどアナログで作業していたものを、デジタルに切り替えることで作業時間を効率よくできるケースは多くあります。例えば、紙の資料を電子化し社内の共有フォルダに管理しておけば、資料の検索、資料の取り出しが簡単に。また、電子化のため紙を使用した送受信の手間が無くなり、紛失の防止、保管スペースや印刷時のコスト削減など、さまざまなメリットがあります。
現在は、業務を最適化するための外部サービスが充実。ワード、エクセルといったデータ管理系のソフトに限らず、チャットツールや進捗管理など目的に応じたクラウドサービスの導入で効率化できるでしょう。値段の高いソフトウェアや、プログラムを操れる人材がそろっていなくとも、業務のデジタル化を進めることはできます。機能に慣れるまで少し時間はかかりますが、情報化の激しい社会のスピードについていくため、積極的に利用していきましょう。
また、意外と工数を取っているのがマニュアルの制作。社内ルールや独自システムなどのマニュアル制作は思った以上に工数のかかる作業です。例えば「Dojo(ドージョー)」というマニュアル作成ツールを使用すれば大幅な作業時間のカットが見込まれるでしょう。
業務効率化で課題を潰す
誰でも自分の習慣や行動を変えることは難しいもので、それは会社にも言えることです。まず、どの業務に問題があるのか把握し、ゴールとなる目的や着地点を固めて会社全体を巻き込んだ業務効率化にしていきましょう。
会社全体で無駄を排除する意識を高め、一斉に改善に着手できる状態が理想です。これからのビジネスチャンスを掴むためにも、業務を効率よくまわしていくのは必須。成功事例やさまざまな企業の取り組みも参考にし、将来の投資と考え腰を据えて取り組んでみてはいかがでしょうか。