会社の後輩である社員、新入社員にはどんな指導をすべきか、指導する者として試行錯誤することが求められることが多いでしょう。とくに中堅社員に回ってきやすい役目で、自分のタスクとの両立が求められます。教育者として立つ先輩社員が注意しておきたいポイント、心構え、実践的な取り組みや方法まで紹介します。
成果につながる後輩への接し方
新人の多くは新しい職場環境に対して緊張しているため、自分からコミュニケーションを取る人はあまりいないでしょう。お互いの距離感を近づけるためにも、とくに新社会人に対しては既存社員から積極的にコミュニケーションをとることが大事です。忙しくても「声をかけないでオーラ」のような、嫌な雰囲気を出さないように心がけましょう。
また、唐突に叱ったり褒めたりするだけだと、言われた本人は何が悪かったか良かったか判断がしづらいです。何が理由なのかを相手の表情を見ながら具体的に述べて、理解してもらえるよう簡潔に説明しましょう。仕事を一緒に進めていくうえで認識レベルを合わせていかないと、理解できないまま進行してミスを誘発してしまいます。
適格な指導で信頼関係をつくる
教えている最中に質問があれば、わかりやすい言葉で丁寧に教えてあげましょう。
沢山教えた後に最後に質問があるか聞くと、どこが分からない部分か忘れてしまう場合も多いです。教えている最中に表情をよく見て、少しでも理解してなさそうであれば一旦区切って質問時間を設けるなど、細かく教えていく事が大切です。理解していそうであればクイズ形式で理解度をチェックしてみるといいでしょう。
話しかけやすい雰囲気を作り、はっきりと指示や説明が出来る先輩は信頼も高くなります。また、教えてあげた仕事も、指示した通りに出来ているか後輩自身にチェックしてもらいながら進めていきましょう。また、先輩の威厳や信頼を失わないためにも、教える前に自分がちゃんと出来ているか確認してください。
コミュニケーションの取り方は人によって違いがありますが、最初のうちに信頼関係をしっかり構築することがポイントです。お互いにフォローできるような関係性を目指して、下地作りをしましょう。
目標やスケジュール設定でロードマップを作る
後輩はわからない部分が多いため仕事の説明をしても、すぐに出来るようになるわけではありません。少しずつ分からない部分を減らしていくイメージで、長い目で見てザックリと成長プランを立てておきましょう。大まかなプランが出来たら、いつ頃までにどの仕事を出来るようにするかなど、細かい目標も立てておくと教える側も何を教えたらいいのか整理しやすいです。
最初の内はこちらから知識を詰め込みたくなりますが、詰め込みすぎるとかえって進捗が悪くなってしまうので、ゆっくりと着実に教えていく事を意識してください。後輩が目標を達成できたらしっかりと褒め、細かいフィードバックや自身の経験を踏まえたアドバイスをしましょう。この積み重ねで能力を伸ばしていってあげてください。
また指導を行う上で忘れてはいけないのが、先輩である自分のタスクです。後輩を教えるからと言って自分の仕事をおろそかにしてはいけません。自分のスケジュールもしつつ後輩のスキルアッププランを設定しましょう。指導するにあたり、仕事の負担を多少減らしてもらったとしても、指導中は思いがけないトラブルに時間がかかる場合があります。そのトラブルも予測し、もし自分ひとりで対応できそうになかったら早めに他の人に助けを求めるなど、指導側として対応策も立てておくと安心です。
スキルの把握で的確な指導や評価を
業務の進捗状況を逐一報告してもらったり、タスクの優先度や重要度を伝えたりして、後輩が自発的に行動できるよう育成しましょう。OJTを取り入れ、多少強引に指導してあげてもいいかもしれません。後輩が仕事を覚えるまでは必ずチェックをしてあげるようにしましょう。一度間違えて仕事を覚えてしまうと修正が難しくなるので、早いうちに間違いを指摘するのです。
複数人への同時指導の場合
また、複数人まとめて指導している場合、個々の能力によって仕事の飲み込みに差がつくでしょう。その場合、遅れをとっている後輩に対して個別指導するのもひとつ。個人差の発見や、個別の指導も先輩の役目として重要です。後輩との人間関係を構築したうえでしっかり指導しましょう。
今では、電子情報機器を用いて行う学習「eラーニング」もあるので、後輩の好きなタイミングやスケジュール管理のもと繰り返し学習してもらうことも可能です。一度説明されただけでは覚えきれない内容も、繰り返し学習することで自然と身にき、指導の時間も一部減らすことが可能。効率良く研修が進められるでしょう。後輩の仕事ぶりをよく観察してどこまで仕事が出来ているか判断し、レベルに応じて任せる仕事を増やしていきましょう。
指導には便利ツールの導入を
後輩の指導には、教育するための手順を整理し資料としてまとめておくと良いでしょう。マニュアル自動作成ソフトDojo(ドージョー)であれば、指導前後のマニュアル作成を効率的に行うことができます。メイグリーン株式会社では、マニュアル作成のためにアルバイト雇用を検討していましたが、工数のかからないDojoで予想していたコストを抑えることに成功しました。
マニュアル作成は、社内教育以外にも活用できるものなので、こういったツールの導入も検討してみても良いかもしれません。
的確に教えて即戦力に!
自分が忙しいからと後輩への指導を蔑ろにしてしまうと、次期部下となるかもしれない人材が育ちません。部署や会社全体の今後を考え、生産性を高められるよう指導者、上司として的確に教えられるようにしましょう。