システムの導入は、企業にとって業務効率化・経営状況の改善が見込める一大プロジェクトです。しかし、システムを導入しても期待通りの効果が上げられないケースもあります。新しいシステムの導入には手間もコストもかかるからこそ、決して失敗はできないと考えている方は多いでしょう。
当記事ではシステム導入を成功へ導くために行うべき事柄と、業者選びを失敗しないためのポイントを解説します。
INDEX
1.システム導入の成否は事前確認で決まる!
システムを導入して失敗する企業には、どのような点に問題があるのでしょうか。
システム導入の主な失敗例として、以下のケースが挙げられます。
- 業務内容をすべて洗い出せていなかった
- 想定していた開発期間・予算をオーバーした
- システムの内容や要件を伝えきれておらず、望まないシステムができあがった
上記の失敗例は、自社の現状を把握できておらず、ベンダーに要望を的確に伝えていなかったことが原因です。
システム導入の前には、自社に必要なシステムの詳細を明確にすることが重要となります。
ここからは、システム導入前に確認すべき事柄を「経営目線」と「現場目線」に分けて解説します。
1-1. 経営目線
経営者は、会社の利益・業務効率を踏まえてシステムの導入を考えなければなりません。
経営目線で事前に確認すべき事柄は、主に以下の4つです。
- ・現状の把握
- 自社の事業や課題、将来像など、企業を取り巻く「今」の情報を整理し、把握する必要があります。現状を的確に把握できていないと、自社に有益なシステムを導入することはできません。
- ・システム導入の目的
- 自社の現状を踏まえ「システムで解決したい課題は何か」を明確にすることで、システムの規模や必要な機能を確定できます。また、システム導入後に目的を果たせたか否かの評価も可能になります。
- ・システムを導入する範囲の特定
- システムの導入範囲となる部門・部署を特定しなければ、具体性のあるシステムは作れません。システムを導入する際は、課題解決の対象となる部門・部署を明確にしましょう。
- ・システム導入の立案
- システム導入の目的・予算・スケジュールなどを企画書にまとめ、プロジェクトを立ち上げましょう。システム導入の計画を視覚化することで、求めるシステムの概要をベンダーが理解できるようになります。
1-2. 現場目線
現場は、導入したシステムを実際に使用する立場です。そのため、以下で挙げる3点のように、現場目線で確認することが重要となります。
- ・現場視点に立った立案
- 現場の作業を考慮して、システム導入のスケジュールを立案する必要があります。システム導入の際、現場では業務プロセスの切り替えや動作テストを行います。そのため、スケジュールにはシステム要件のチェックや現行システムからの移行期間も想定しなければなりません。
- ・現場が必要な機能の選定
- 現場の担当者からヒアリングして、システムに必要な機能を洗い出しましょう。導入したシステムに現場の必要とする機能が搭載されていなければ、システムの開発コストが無駄になる恐れがあります。
- ・システム導入に向けた人材の選定
- 新しいシステムを導入するときは、運用テストやチェックに専念する人材が必要です。担当部署の業務に精通しており、新しいシステムに関心を持っている人材を選定してください。
2.システム導入のフローについて
システム導入は、以下の5つのフローで進みます。
①見積もり |
企業から提出された企画書をもとに、ベンダーの担当者がヒアリングを行います。企業の問題点や必要な機能をベンダーが把握し、スケジュールと費用を擦り合わせることが、見積もりの目的です。 |
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②設計 |
見積もりの内容からシステム分析を行い、構築するシステムの内容を決定します。設計の流れは、大枠を決める基本設計と、細かい処理などを決める詳細設計の2段階です。設計の打ち合わせには企業も参加します。 |
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③開発 |
詳細設計をベースに、システムを開発します。開発と同時に、単体テストや結合テストも行います。 |
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④導入 |
完成したシステムが納品されます。ベンダーによってインフラのセットアップやオペレーション指導が行われ、システムが稼働します。 |
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⑤アフターサポート |
導入したシステムでトラブルやバグが発生した場合、ベンダーのアフターサポートを受けることができます。アフターサポートの具体的な内容は、電話対応・メール対応・リモート作業・現地作業などです。基本的にアフターサポートは、システム導入から一定期間が経過すると有償となります。 |
3. システム導入を失敗しないためには業者選びが肝心!
設計や開発のフローを経て導入されるシステムの良し悪しは、業者に大きく左右されます。そのため、数多くある会社の中から、自社に最適な業者を選ばなければなりません。
ここからは、業者選びにおける4つのポイントを紹介します。
- ・提案書や見積書が理解できるように作成されているか
- システムの提案書や見積書は、後のフローである設計や開発に大きな影響を与えます。提案書は要望を満たしていて理解しやすい内容か、見積書はコストの内訳が明確かを確認しましょう。
- ・説明は分かりやすいか
- システム設計や開発では難しい専門用語が出てくるため、業者の説明が分かりにくいケースもあります。不明点を質問した際、専門用語を使わず分かりやすく答えてくれるかどうかが、優良な業者を見分けるポイントです。
- ・業務内容をきちんと理解しようとしているか
- システムは企業の業務内容に沿って作られる必要があります。しかし、業者側が自社の業務に詳しいとは限りません。自社の業務内容について、業者がきちんと理解しようとする姿勢を見せているかを確認してください。
- ・コミュニケーションは取れるか
- 業者の担当者とは、見積もりからアフターサポートまで付き合うこととなります。見積もりで要望が反映されていない業者・担当者と連絡がなかなか繋がらない業者は避けましょう。
4.システムの導入効果を高める方法
完成したシステムは、正しく活用してこそ価値が生まれます。システムを導入して終わりでは、労力やコストを費やした意味がありません。
最後に、システムの利用で業務効率を改善したいと考える方が行うべき、導入効果を高める2つの方法を紹介します。
4-1.システムの導入目的を共有する
システムを導入する際は、何のために導入するのか、目的を社内で共有しましょう。
システムの影響を大きく受けるのは現場です。現場が目的を分かっていないままシステムを導入すると、システムによる成果が得られない恐れがあります。
システムの導入目的を現場に共有することで、追加したい機能や操作画面の要望など、現場から意見が出てくることもあります。現場の具体的な意見が加えられるほど、完成するシステムは使いやすいものとなり、有効活用できるようになるでしょう。
4-2.システムの教育期間を設ける
新しいシステムにどれだけ優れた機能があっても、現場の担当者が使いづらいと感じると、システムの利用は定着しません。システム導入のスケジュールを決める際は、システムの使用者が操作に慣れるための教育期間を設けるようにしてください。
導入したシステムの教育には、マニュアルの作成や社内研修などが挙げられますが、最も効率化が図れる方法として、ナビゲーションツールの「Dojoナビ(ドージョーナビ)」がおすすめです。Dojoナビは、システムの実画面上に操作手順やコメントなどのナビゲーションを直接表示することができます。つまり操作手順を頭で覚える必要も、マニュアルを参照する必要もありません。また、ブラウザにプラグインをインストールしておくことで、画面上にナビゲーションのアイコンが常駐するため、システムの操作に迷ったときはすぐに知りたい操作方法を検索し、ナビを表示させることができます。
初めてシステムに触れる方でも簡単に操作できるDojoナビは、システムの教育時間を短くしたいときに最適なナビゲーションツールといえるでしょう。
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システム導入のポイントまとめ
システム導入は、事前確認をしっかり行わなければ成功しません。経営目線・現場目線の双方から、システム導入で改善したいポイントを洗い出しましょう。
システム導入を失敗しないためには、業者選び・導入目的の共有・教育期間の設定が重要です。とくに教育期間は、システムを運用する上で欠かせないプロセスとなります。Dojoナビのように効率的なナビゲーションツールを使用して、システムの有効性を最大限に高めましょう。