業務改善や業務効率化に関する取り組みの成功には、目標設定が不可欠です。できる限り具体的でわかりやすい目標を設定することで、組織全体で改善活動に取り組みやすくなり、効果の最大化につながります。
そこで今回は、業務改善における目標設定の重要性や目標の決め方、注意点について解説します。業務改善の目標達成に役立つITツールもご紹介しますので、企業のご担当者様はぜひ参考にしてください。
INDEX
1.業務改善における目標設定の重要性
目標設定は、業務改善や生産性向上を実現するための最初のステップです。こちらでは、業務改善における目標設定の意味や重要性について解説します。
業務改善に取り組む際には、現在の自社の状況を踏まえて目標を設定することが大切です。目標を明確にすることで、業務効率化までのプロセスをイメージしやすくなり、社内全体が目的に向かって業務改善を実施できるようになります。
また、目標設定は生産性向上の実現のためにも重要とされます。業務改善は生産性向上の手段です。適切な目標設定によって業務効率化が進むことで、時間的・金銭的・人的コストのムダを削減でき、最終的に生産性のアップが見込めます。
2.業務改善における目標設定の流れ
業務改善に取り組んでも、目標が決まっていなければ効果や成果を正しくチェックできません。そのため、業務改善を実施する際は以下の手順で目標設定を行いましょう。
2-1.業務を見直し現状把握をする
最初に、業務の現状把握を行いましょう。自社の業務プロセスを細分化したうえで、業務内容や担当者、ワークフロー、必要なスキル、工数、頻度などをまとめる工程です。このプロセスが不十分だと、自社の業務の問題点を明確にできず、効果的な改善案の検討が進みません。
現状把握には業務の可視化が不可欠です。可視化に取り組むことで、自社の業務における非効率な部分や効率化を妨げている課題が見つかりやすくなります。ただし、各担当者からすべての仕事内容を報告してもらうのは負担になるため、ITツールを活用して業務状況を可視化すると良いでしょう。
2-2.課題を洗い出し優先順位を決める
次に、自社の業務状況から判明した解決すべき課題を洗い出し、取り組む優先順位を決定します。優先順位を設定する際は、重要度と緊急度の2軸からタスクを分類し、重要かつ緊急性の高い課題に最優先で取り組むと効率的です。このフレームワークは「アイゼンハワーマトリクス」と呼ばれます。売上や利益に直結しやすい、コア業務に関する課題ほど重要度や緊急度が高いと判断するのが一般的です。
また、重要度と緊急度以外にも、課題の効率化に対する効果や工数、費用などを考慮して考えると良いでしょう。
2-3.具体的な目標設定を行う
続いては、今回の取り組みに関する目標を設定します。目標は抽象的にならないよう、できる限り具体的に設定するのが望ましいといえます。例えば、人材の離職率や定着率など、数値化できる項目は数値で表しましょう。働き方改革や労働環境の整備が課題となっている場合は、残業時間や従業員満足度などを指標とするのがおすすめです。
目標を設定したあとは、業務改善に関わる従業員全員に共有します。情報共有によって目標に関する共通認識を持つことで、プロジェクトをスムーズに進めやすくなります。
2-4.改善策を実行する
次のステップでは業務改善の施策を検討し、実行します。プロジェクトを実行する際は、to doリストやチャート管理をすると良いでしょう。計画の進み具合を従業員間で共有できるようになり、チーム全体でのコミュニケーションの促進にもつながります。
2-5.PDCAサイクルを回し振り返りを行う
最後に、PDCAサイクルを回して改善策の振り返りを行います。PDCAサイクルとは「計画(Plan)」「実施(Do)」「評価(Check)」「取り組み(Action)」の流れを繰り返すことです。業務改善を成功させるには計画を実施し、振り返りと評価を行ったうえで、計画を修正して再び取り組む必要があります。このサイクルを繰り返すことで、業務改善が持続可能なものとなり、組織全体の生産性や作業効率が改善する可能性が高まります。
3.業務改善における目標設定例
業務改善に取り組む場合、目指すべきゴールである目標と判断基準となる指標(KPI)を設定することが重要です。指標を正しく設定することで、目標の達成度合いを定量的に評価できるようになります。こちらでは、業務改善における目標と指標の具体例を、企業が抱える課題別にご紹介します。
3-1.売上や利益に関する指標
売上や利益に関する課題を感じている場合は、売上の増加やコストの削減を指標としたうえで、利益のアップを最終目標に設定すると良いでしょう。「売上を前年比で5%増加させる」「運用コストを3%削減する」など、具体的な数値で指標を定めることが大切です。
目標達成のための手段としては、ペーパーレス化を促進してコスト削減を図る、単純作業を自動化・システム化して作業時間を短縮するなどの方法が考えられます。マニュアルの作成や研修の実施を通じて、担当者の作業の効率化を図るのも効果的です。
3-2.従業員に関する指標
労働環境の改善や働き方改革を目標とする場合は、従業員満足度を指標とするのがおすすめです。労働時間や残業時間の削減、リモートワークの推進など、従業員のモチベーションやメンタルヘルスに関係しやすい施策を実施し、従業員満足度をアップさせましょう。各部署や従業員の協力を仰ぐには、「残業時間を月平均10%削減」「リモートワークの導入率を50%以上に拡大」など、指標を具体的な数値で設定することが重要です。
4.業務改善における目標設定のポイント
最後に、業務改善における目標設定の注意点やポイントを解説します。以下の点を意識すると、効率的かつ効果的な目標を設定しやすくなります。
4-1.実現可能な目標を設定する
業務改善における目標は、実現可能な範囲で設定することが大切です。現実味がない目標設定は、プロジェクトに対するモチベーションが失われやすくなってしまいます。その際は、従業員へのヒアリングを取り入れながら目標設定をすると効果的です。現場の声を参考にすると、現実的な目標を立てやすくなります。他社の成功事例を参考にするのも良いでしょう。また、目標達成までのスケジュールを逆算し、期日を決めて取り組むことも重要です。
4-2.目標は関係者と共有して全社的に取り組む
業務改善の取り組みで設定した目標は、メインの担当者だけではなく、関連する部署などにも共有しましょう。全社的な協力により、プロジェクトをスムーズに進めやすくなります。
4-3.マイルストーンを設定する
業務改善の目標は、最終目標だけではなくマイルストーンも設定しましょう。マイルストーンとは中間目標のことです。マイルストーンを設定すると、長期的な取り組みとなる業務改善の進捗を確認できるようになります。プロジェクトに問題が起こっている場合に早い段階で気づきやすくなり、目標の修正やスケジュールの変更などの対応が可能です。
5.業務改善の目標達成には専用ツールの活用がおすすめ!
本記事では、業務改善における目標設定の重要性や進め方、具体例、気をつけるべきポイントについてお伝えしました。企業が社内全体で業務改善に取り組むためには、適切な目標設定が不可欠です。自社の課題を洗い出したうえで目標を具体化し、PDCAサイクルを回しながら改善策を実行しましょう。
業務改善の目標達成には、専用ツールやシステムを導入するのがおすすめです。作業時間の短縮や俗人化の防止、業務の標準化などの目標を掲げている場合は、業務マニュアル作成ツールの「Dojo」をご検討ください。システムの操作説明書や業務引き継ぎ時の手順書など、複雑になりやすいマニュアルを簡単に作成できるツールです。自動作成機能により、わかりやすいマニュアルを最小限の手間で作成できます。無料トライアルもご用意していますので、下記のページよりお気軽にお問い合わせください。
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