新入社員へ向けた社会人に必要な研修内容で悩む教育担当者は多く、人材 の変化に応じた対応を迫られるケースもあります。新卒研修の見直しも含めて基礎から流れを再チェックすることや、一般的な内容を覚えなおすことは非常に重要です。
新卒研修の内容が会社の離職率に結びつくことも珍しくなくなっているからこそ、しっかりと基礎を考える必要があるのです。ここでは、基本的なビジネスマナー研修をはじめ、グループワーク、eラーニングでの研修方法をご紹介します。
新卒への研修その1「ビジネスマナー」
新卒への研修で意外に見落とされがちなのがビジネスマナーの問題です。 人材獲得競争が激しい現代ではマナーよりも経験やスキル、ポテンシャルを優先するケースがあります。
しかし、マナーの認識にズレがあることでトラブルを招くこともあり、基礎的な認識や知識を共有する重要さが高まっているのです。
身だしなみ/挨拶
身だしなみと挨拶は企業のイメージや、コミュニケーションの円滑さを支える重要なものです。また、職場によっては服装の乱れが安全性の維持に支障をきたす場合もあります。
服装や声掛けが災害時など危機管理の域に及ぶ場合もあるため、規定が形骸化していないかチェックが必要です。
敬語/言葉遣い
正しい敬語や言葉遣いを教えることも重要。勘違いで誤った内容を覚えていることも珍しくないため、基礎知識として言葉のマナーから教えるのが基本です。復唱させる簡単なトレーニングで身に付けられるでしょう。
席次
席次は地位や肩書きに直結することが多く、守れないだけでトラブルになる場合があります。図解やロールプレイなど行い、基本行動をわかりやすく解説することが大切です。
名刺交換など
企業によって業務上必要なマナーなどは大きく変わります。営業であれば入社後すぐ名刺交換の機会が多くあるので、学んだことを生かせる頻度や優先順位も変わってきます。
部署によってマナーの優先順位を決めて、優先度が高いものは内容を濃くするなど調整も必要です。
グループワーク
講師が先頭に立って教えることもありますが、新人研修でグループワークを取り入れる企業が増えており、課題の与え方なども重要なポイントになっています。
グループワークを行う理由
グループワークは、新人同士でコミュニケーションをとりながら課題を進め、短時間(限られた時間)で結果をだす必要があります。見栄やプライドを無視して実利を追求することが重要で、場合によっては妥協が必要になる場合もあります。
結果を求められることは非常に重要で、課題の提出に失敗したとしても人材同士の個性や課題の洗い出しに貢献してくれます。
グループワークの利点
グループワークの利点は、より実務に近い内容を経験させることが可能という点にあります。また、確実な正解がなく、同じ新卒同士でチームとして協力し合い結果をだす過程でコミュニケーションスキルや創造力が磨かれます。
また、グループ内での立ち位置の確保や発言の取捨選択など、新入社員ひとり一人が自分自身で考えるべきことが多く、個別の適性のチェックにも役立ち配属先の決定要素として使用できるでしょう。
スケジュールの管理能力も必要になり、即戦力を見抜くことにも役立ちます。
グループワークの例
グループワークでよくみられるのは、新規サービス開発の計画やトラブル時のケース対応などです。
新規サービス開発は事前に必要になる情報が多く、メリットとデメリットの取捨選択など、多様な判断が必要となります。グループ内だけでなく、他の社員がリスクを防ぐための行動を取れるかも意識すべきポイントです。
トラブル時のケース対応は何を優先すべきかが浮き彫りになります。顧客の満足度や企業の信頼性、アフターフォローをセットで提案できるかなど、人の気持ちと損益のバランスをとる力が求められます。
準備が大切
グループワークを行うためには、事前の準備が必要です。準備に漏れがあれば、グループワークの前提自体が崩れてしまうこともあるため、リスクをあらかじめ拾っておく必要があります。
グループワークの課題
グループワークの課題作りでは、何を評価したいかをメインに考える必要があります。新規サービス開発プランの提案、ケース対応では求められるものが違います。社内の方針として、グループワークを何のために行い、人材のどの能力を見極め成長させたいかを優先してテーマ設定する必要があるのです。
また、目的が明確でない場合は質問などが相次ぎ時間の浪費になる場合もあります。
業務に必要な各種マニュアルの整理
業務の前提になるのがマニュアルです。仕事を行う新卒者はマニュアルを前提としてさまざまな作業にあたります。マニュアルに矛盾があれば結果の判定も歪んでしまう可能性があるため、しっかりと作りこむことが大切です。
また、見守る先輩社員の対応についてもしっかりと練っておく必要があります。新卒者の自主性に任せてしまうと話や作業が脱線してしまうこともあるため、適度に声をかけやアドバイスをして軌道修正してあげると良いでしょう。
質問が可能か、回数に制限があるかなど、条件工夫を加えることで評価の見極めをしていけると良いです。
eラーニングでの学習や業務の把握
複数人で協力し合い、目標を達成するグループワークも良いですが、現在はオンライン上での学習が行えるeラーニングでの研修もおすすめです。eラーニングは、コンピュータを利用して個人で学習が進められるもので、同じフロアに講師と受講者がいる必要がなく、人員的リソースやスペースの確保、それにともなう細かなスケジュール管理の手間を削減できます。もし新卒研修で、人、スペース確保などにコストがかかっている場合は、座学でできる学習は基本的にはeラーニングに変更するのもありです。
部署ごとにeラーニングを用意し、より細分化された教育ができるようにする、という取り組みも良いでしょう。
インターネット環境があればいつでも取り組める学習方法です。最初は、先輩社員からいつやるか、どこまで習得していてほしいか、というスケジュール感や求めるスキルレベルなど指示し、ある程度の目標ラインを明確にして新卒社員に取り組ませましょう。
また、eラーニングの特徴として、オンライン上で進捗管理ができることです。新卒者に与えた業務の状況をスコア管理設定することで、より細かな習得把握が可能に。業務や学習の進捗状況を上司が確認し、より的確な指示だし、またはグルーピングを行うなどして、最適なルートで人材を育成していけるでしょう。
そのためには、現場で必要な知識と教育用eラーニングの内容に齟齬がないように社内で進めていくことが大事です。
紹介する「GAKTEん(ガクテン)」という学習管理システムを使ってeラーニングを運用できます。eラーニングコンテンツの作成やマニュアルの自動作成やなど、教育コンテンツ作成ソフト「Dojo(ドージョー)」を導入することで、新卒研修から社内の業務まで、円滑な運用が目指せるでしょう。
基礎から実践へ着実につなげる
新人研修は内容を理解するだけでなく、仕事に活かすためにも実践して身につけることが重要。ロールプレイングよりもグループワークが重視されるようになったのは、結果が出るぶん新卒者の身になりやすいからです。
もちろん、ロールプレイングも有効で、参加者の発想能力を見極めることが可能です。
マニュアル化も重要で、何のために行い、何を評価するかをしっかりと規定し、教育の品質を保つことも大切です。マニュアルの改善も可能で、より効率が良い教育につなげることができます。