「作業手順書のペーパーレス化に成功、生成AIマニュアル診断も活用しています」

様々な医療器具や輸送機器、家電などの幅広い製品に組み込まれているIoT関連のセンサなどを開発・生産しているワッティー株式会社 センサ事業部様に、Dojoウェブマニュアルを導入した背景と導入効果について伺いました。

各種センサ、セキュリティ製品を製造・販売

ワッティーは、防災・防犯機器の卸売業として1967年に創業されました。以来、メーカー兼商社として、半導体製造に不可欠な産業用ヒータやIoT環境で利用される、各種センサの販売・製造を手掛けております。
本社は東京都品川区に設けていますが、全国に3事業所を含む7拠点を展開しており、「熱システム事業部」と「センサ事業部」という2つのメーカー部門と商社部門となる「特機事業部」の計3事業部でビジネスを展開しています。
静岡県浜松市に拠点を置くセンサ事業部では、液体の水位制御に最適な液面センサをはじめ、自動車のエンジンオイルの検知などに使われるフロートスイッチ、化学薬品の水位検知などに使用されるフロートセンサなどを開発・生産しています。

導入前の課題

課題が多い、紙による作業手順指示

当社ではISO9001の要求事項に従って品質マネジメントシステムを確立し、製品の製造を行っています。ISO9001では、手順書を適正に作成・管理することや、進捗確認や履歴管理を適正に記録・保管することなどが求められますが、現在、センサ事業部の生産アイテム数は約1,000種類におよびます。
そのため、手順を記載したマニュアルの作成や修正、バージョン管理はもちろんですが、マニュアルのコピーを作業者へ配布したり、紙の原本を保管したりするのに大きな手間がかかり、さらに原本の紛失や破損、保管の間違いといった管理上のリスクも内在していました。
また、進捗確認や履歴管理に関しても、作業手順書に記録するようにしているため、1か月間で平均1万枚という膨大な量の紙を使用しており、ペーパーレス化による紙使用量の削減も重要な課題となっています。
そもそも紙のマニュアルは、設置スペースもそれなりに必要で、作業環境によって汚れや破損などにより不鮮明になってしまう場合もあることなど、取り扱いが面倒であるという問題も現場では散見されていました。

導入前の比較・検討

マルチデバイス対応や翻訳機能を評価

このような紙のマニュアル文書ならではの課題や問題点を解決するため、センサ事業部ではマニュアルの電子化を検討してきたのですが、スマートフォンやタブレット端末のように作業現場での取り扱いや閲覧が手軽で、マニュアルコンテンツの作成や管理に関しても簡単なツールやシステムは、これまで出会うことができずにいました。そのような状況下、展示会でDojoウェブマニュアルのことを知ったのですが、機能面では、PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末で「マニュアルの閲覧だけでなく作成も簡単にできる」こと、「写真や動画を簡単に取り込み、閲覧できる」こと、そして「翻訳機能が標準で搭載されていること」に興味を惹かれました。そして、何よりテンダ様の説明やプレゼンテーションがとてもわかりやすく、マニュアルを作成するツールを提供している会社として信頼できると判断したことから、導入を検討することにしました。

現在の稼働状況

新規製造ラインの手順書作成に活用

現在、センサ事業部では、新しく立ち上げる製造ラインにおける「製造用作業手順書」、「製品梱包手順書」、「最終検査手順書」、「購入検査手順書」、「設備取り扱いマニュアル」といったマニュアルをDojoウェブマニュアルを使い2名体制で作成しています。対象アイテムは制作中のものを含めると約100種類となります。マニュアルは、事業部内だけでなく協力会社にも展開しており、現在、約100名が利用しています。
マニュアルコンテンツの作成は、基本的なひな形に合わせて見出しや説明文、画像・動画を入力していくだけでマニュアルが完成するので、とても簡単です。特別な知識や経験があったわけではありませんが、使い方を習ったり、マニュアルを読んだりせず、直感的に基本的な機能は操作できるようになりました。
Dojoウェブマニュアルを利用していて便利だと感じるのは、翻訳機能です。当社の場合、英語圏以外の国籍を持つ従業員も数多く在籍しており、言葉の壁という問題があります。これまでも日本語以外の手順書もできる範囲で対応していたのですが、作成に手間がかかり、すべてのマニュアルを各言語に翻訳するのは難しく、身振り手振りを交えながら何とかコンセンサスを取っている状況が続いていました。
Dojoウェブマニュアルでは、簡単な操作で英語はもちろん、ポルトガル語など9種類の言語に対応した翻訳機能が提供されており、加えて動画や画像を用いたマニュアルを作成することで、日本語の読めない従業員もとてもスムーズに作業手順を理解できるようになりました。
また、細かな所では、1工程の作業目安時間を明示し、デバイス上で時間を計測できるタイマー機能も便利だと思います。加えて、最近バージョンアップで新たにサポートされたAI機能も活用しています。作成したマニュアル文の長さや読みやすさなどをAIが判断して、改善案を提案してもらえるのでマニュアルの品質向上を図ることができます。

導入後の評価

作業効率が改善され、生産性が向上

作業面では、従来の紙のマニュアルと比べて、作業内容がわかりやすく、理解しやすくなったことから、作業効率が改善され、生産性の向上につながっています。その要因として、画面上で直感的に目的のコンテンツを閲覧できるようになったことや、動画や画像による説明が増えて作業手順のわかりやすさが向上したこと、さらには英語圏以外の国籍を持つ従業員に対しても、母国語でのマニュアルを手軽に提供できるようになったことが挙げられます。
また、マニュアルの作成に関しては、これまでExcelで作業していたときと比べると、手軽で、スマートフォンで撮影した動画や画像などもすぐ取り込むことができるので、大幅に効率化かつ省力化されています。生産ラインなどの変更によるマニュアルコンテンツの追加・修正などにも、柔軟かつ迅速に対応できるようになりました。
一方、マニュアルコンテンツが一元的に管理されるようになり、作業者は必要なとき、目的とする最新バージョンのマニュアルへアクセスできるようになりました。紙文書の管理で問題となっていたような作業負荷や混乱からも解放され、紙によるマニュアルの配布が不要となり、ペーパーレス化も進みました。しかし、進捗確認や履歴管理にはまだ紙を用いていますので、全体で見るとペーパーレスの効果
はまだ限定的なものとなります。

今後の展開

既存の主力製品への対応を拡大

今後は、新規製造ラインだけでなく、既存の主力製品に関するマニュアルの作成を進めていきたいと考えており、閲覧できる端末も追加する予定です。
また、コンテンツの内容に関しても、マニュアルの作成や修正が手軽にできるようになったことで、製造ラインを設計する段階からマニュアルの制作に取りかかることができるようになり、設計者の思想を取り入れたり、設計時にしか撮影できない動画を掲載したりするようにしていきたいとも考えています。
さらに少し先の話となるかもしれませんが、単に作業手順を示すだけのマニュアルではなく、製品の不良やエラーを減少させたり、労働安全衛生を高めたりする項目なども反映できるようになれば理想的です。
Dojoウェブマニュアルには、既存機能の改善はもちろんですが、そのようなマニュアルの付加価値を高めるような機能の追加を期待するとともに、テンダ様にはこれまでと変わらない、迅速かつ丁寧なサポートを継続してもらうことを希望します。