熱可塑性樹脂の取扱量は業界屈指

当社はプラスチック(熱可塑性樹脂)の射出成形加工、金型製作を手掛けている会社です。取扱品目はOA機器部品、光通信機器部品、インフラ関連部品、工業用部品各種など多岐に渡りますが、なかでも射出成形分野における熱可塑性樹脂の取扱量は業界トップクラス。お客様のご要望に応えるため、多品種小ロットというスタイルを確立し、月500~600種類もの熱可塑性樹脂部品を生産することができます。

導入前の課題

ダイバーシティ対応と紙文化からの脱却

「タブレットで作業動画を確認できるシステム」を導入したいと考えていました。その理由には2つの課題が背景にありました。ひとつは従業員のダイバーシティ化です。少子高齢化にともない労働人口が減少している現状を踏まえ、当社では国籍を問わず従業員を確保するようにしていますが、どうしても言葉の壁という問題があります。英語圏以外の国籍を持つ従業員も多数在籍していますから、英語の手順書を作成しただけでは対応できません。身振り手振りを交えながら何とかコンセンサスを取っている状況が続いていたため、動画なら日本国籍以外の従業員もスムーズに作業手順を理解できるのではないかと考えた次第です。

もうひとつは紙文化からの脱却です。とはいえ、お客様とのやり取りは紙が前提ですから、紙自体はなくなりません。しかし、小さな部品でもその部品に紐づく書類は数十種類におよぶため、保管スペースを確保するだけでも困難です。このため、数年前から社内で完結する書類はできるだけデジタルで保存するようにしています。例えば、品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO9001︓2015、環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001に関するドキュメントは完全デジタル化。従業員IDがあれば、いつでも参照できるようにしています。ただし、手順書はExcelファイルでデジタル化されているとはいえ、現場の従業員に説明する際は紙に出力する必要があります。しかも、作成や改定は現場に委ねられてしまうため、一元管理が難しく、最新版は個人のフォルダにあることも少なくありません。そこで、手順書を動画にして一元管理できるシステムを求めるようになりました。

Dojoウェブマニュアルの活用事例

導入前の比較・検討

長年サービスを展開し続けている安心感

Web などで検索し、多くの製品を比較・検討しました。最終的には3製品に絞り、概算レベルの見積りをいただいて比較・検討した結果、Dojoウェブマニュアルを導入することにしました。その理由は以下の通りです。

<Dojoウェブマニュアルがタイミング良くリリース>

もともとは自動マニュアル作成ツールのD ojoを目的に、2021年11月に問い合わせさせていただきました。ただ、Dojo はパソコンでつくるオフィス向け製品だと感じていたため、当社にマッチするか分かりませんでした。そんななか、テンダから提案があったのがDojoウェブマニュアルでした。スマートフォンで簡単に作成でき、クラウドで一元管理するシステムのDojoウェブマニュアルは、すぐに当社のような製造業に合うと思いました。

<継続的に利用できる安心感>

導入するとなれば10年20年と長く使っていきたいと考えていますが、I T系のサービスは流行り廃りが激しく、継続的にサービスを受けることが難しい業界だと感じていました。実際、当社もI T 関係のサービスでトラブルを経験しています。その点、テンダは30 年近くも第一線でI Tサービスを展開。Dojo も10 年以上の歴史があります。継続性なサポートとアップデートを期待する当社としては、テンダの製品なら安心できると判断しました。

代表取締役社長 小野寺 誠 様

現在の稼働状況

日々の業務に追われる製造業は、新しい試みを浸透させるのが難しいのが現状です。そこでまずは、Dojoウェブマニュアルを利用する基盤をつくるため、各部門のリーダークラスの研修から始めました。現在はDojoウェブマニュアルを操作し、利用することに慣れるフェーズまで辿り着きました。
具体的には、組立課が中心となり、治具( ジグ) の取り付け作業の工程などをDojoウェブマニュアルで動画化。このほか、測定工程やISOに準じた危険物の発注管理手順などもDojoウェブマニュアルを利用して動画化しました。今後のフェーズは、前述した通り「タブレットで作業動画を確認できるシステム」を構築すべく、タブレットを導入して実際に現場でDojoウェブマニュアルを利用すること。現場レベルでは、Dojoウェブマニュアルの利用に向けたロードマップができていますので、順調に進んでいると思っています。

導入後の評価

誰でも簡単に手順動画をつくれる

やはり動画は分かりやすいと感じます。日本国籍以外の従業員ほか、働く日時が限定されたパートや派遣の方々には、いくら多数の写真が入っていてもE x c e lで作成した紙の手順書ではなかなか理解してもらえません。現場での利用はこれからですが、Dojoウェブマニュアルの動画には高い期待感を持っています。ベテランならではの作業も、動画なら共有できるのではないかと期待しています。例えば、経験値がスキルとして如実に表れる機械のセッティングなどは、そのやり方を動画に落とし込むことができれば、より多くの従業員により早くノウハウを伝えることができるかもしません。将来的にはそういった手順動画を普及させ、属人化しない業務を増やしていきたいと考えています。

また、Dojoウェブマニュアルは、本当に誰でも簡単に手順動画をつくれると実感しています。ただし、自由度が高いだけに現場に任せすぎてしまうと、つくる人によってアウトプットが異なり、統一感のない動画が散見する可能性があります。そうならないためには、管理する側がルールを策定したうえで、ベースとなるテンプレートを用意する必要があると思っています。

専務取締役 兼 管理部部長 小野寺 宏 様

今後の展開

社内マニュアルに動画をリンクさせたい

今年から2023年の春頃を目途に、現場レベルの積み上げを行っていく予定です。そして、2023 年の夏頃には、Webブラウザーで参照できる公式な社内マニュアルに紐づく動画としてアップロードしていきたいと考えています。大元の社内マニュアルに動画のリンクを増やしていくのが目標で、それを現場のタブレットで誰もが参照できるようになれば、業務の理解度向上はもちろん、業務の効率化にも期待できると考えています。
幸いにも、テンダさんには当社の問い合わせにレスポンスよく対応いただています。分からないところはもちろん、知見やノウハウも惜しみなく伝授いただけますから、サポートの不安はありません。引き続きDojoウェブマニュアルの展開にご協力いただければ幸いです。今後ともよろしくお願いします。