企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)推進による業務改善を実現するには、現場では具体的にどのように施策へ取り組めば良いのでしょうか。近年は業務プロセスのデジタル化が進み、業界を問わず多くの企業で生産性向上が課題となり、仕事の進め方に見直しが必要となっている状況です。
そもそもDXとは、企業がデジタル技術を活用して自社のビジネスモデルを変革し、企業競争力を高める取り組みを指します。経済産業省が2020年に公表した資料「デジタルガバナンス・コード2.0」において、DXの定義は以下のように説明されています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。 |
DX推進による業務改善をスムーズに実現するには、上記のゴールへ向けて順序立てて、全社的に取り組むことが重要です。本記事では施策を成功へ導くために、業務改善を進める流れや手法、ポイントまで解説します。ぜひ参考にしてみてください。
【出典】経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc2.pdf
1.DX推進で業務改善を進める手順
DX推進で業務改善を実現するには、まず自社の目的を明確にした上で目標設定を行い、計画的にプロジェクトを進める必要があります。ここでは、業務改善で結果を出すまでの取り組み方の流れを、4つのステップに分けてお伝えします。
1-1.【Step1】課題の検討や洗い出しを行う
初めに自社の現状を分析し、業務フローを可視化します。現状を整理して「削減可能な業務はないか?」「従業員のスキルに適した無駄のない人材配置ができているか?」といった観点から、問題点を分析しましょう。現状の課題を把握できたら、優先度の高い課題から順に解決を目指していきます。その際、業務改革のために新規でデジタルツールを導入する必要性がある場合は、併せて検討します。
1-2.【Step2】課題の解決方法を選定する
DX推進の取り組み方には、自社で担う方法と、外部企業からサポートを得る方法があります。自社で担う場合は、社内にIT技術やDXの専門知識を有する人材が不可欠です。人材育成や採用などの方法で人材を確保する必要があります。その一方で、ベンダーが提供するシステムやプラットフォームを利用する場合は、機能の充実度や費用負担などを踏まえて自社に適したサービスを選定することが重要です。それぞれの解決方法で得られる成果や発生するコストを考慮した上で意思決定を行いましょう。
1-3.【Step3】業務改善策の施策を実施する
施策の準備が整ったら、続いて業務改善策を実施するフェーズに入ります。例えば、新規システムを導入する場合は、初めに従業員へ向けて施策の目的やシステムの導入方法などの背景を説明して、DX推進への理解を浸透させることが大切です。また、導入後は業務フローの変更にともない負担が生じる部署を支援し、定着をはかると良いでしょう。以降は、システムを運用しながら修正を加えていきます。
1-4.【Step4】定期的な見直し・改善を繰り返す
施策を実施したら、効果測定を行って成果を確認します。効果測定では、目標達成の度合いを定量的に評価しましょう。業務改善が進んでいる場合は、具体的にどの施策が改善につながったのか、理由を検証してノウハウを蓄積します。また、業務改善が進んでいない箇所があれば、原因を明らかにして新たな施策を提案します。定期的な見直しと改善を繰り返して、目標達成を目指しましょう。
2.DXの推進による業務改善の方法は?
デジタル化やデータ活用によって業務効率化や生産性向上を実現するには、具体的にどのような施策が効果的なのでしょうか。ここでは、DX推進で業務改善を達成するための手段について解説します。必要に応じてシステム導入も検討すると良いでしょう。
2-1.RPA(Robotic Process Automation)を導入する
RPAとは、PC上で行われる単純作業を自動化する技術のことです。RPAを導入すると、日常的に繰り返し行われる簡単な作業を人間が行う必要がなくなります。具体的には、記帳や仕訳の際に発生するコピー&ペーストの作業や、データ入力作業などの人手を減らすことが可能です。より生産性の高い業務へリソースを有効活用できると期待されています。
RPAについては「RPAツールとは?人気製品の比較や導入メリットを解説」もご覧ください。
2-2.紙文書を電子化する
オフィスのペーパーレス化を推進し、情報共有の効率が高まると、社内の連携強化につながります。近年は、主に経理部門で扱う契約書や請求書などを電子化し、システム上で一元管理する施策が注目されています。電子化によって書類の印刷や郵送といった手作業が大幅に削減され、オンラインでスムーズに手続きができるようになるのがメリットです。
2-3.クラウドサービスを導入する
業務でクラウドサービスを活用すれば、従業員が会社に出社しなくても仕事に取り組めるようになります。テレワークのような多様な働き方に対応した環境を整備できるのがメリットです。なかには経費精算や勤怠管理を自動化できる便利なクラウドツールもあるため、時間や場所による制限を受けない働き方を実現したい場合におすすめです。
3.DX推進で業務改善を進めるときのポイント
DX推進による業務改善を成功へ導くには、継続的な取り組みが不可欠であり、一定の時間とコストがかかります。失敗を避けるためにも、以下の注意点を押さえておきましょう。最後に、DX推進で業務改善を進めるときのポイントを解説します。
3-1.社内全体で取り組む
DX推進は全社的に取り組み、従業員から協力を得て初めて実現できます。業務改善を成功へ導くには、経営層がDX推進の意義を理解した上で、社員に共有することが重要です。また、特定のDX推進の担当者のみにプロジェクト運営を丸投げせず、十分なフォロー体制を整えるのも重要だといえます。
3-2.既存のシステムにこだわらない
業務を刷新するためには、既存のシステムにこだわらず、必要に応じて新規システムの導入やアウトソーシングを検討するのがポイントです。古いシステムは仕組みを理解できる従業員が限られるため運用が属人化しやすく、さらにはメンテナンスに多くのコストがかかる傾向にあります。
3-3.DX人材の育成や確保を行う
DX推進の施策では、専門知識と技術を持つ人材の確保が必須となります。社内でDX人材を育成するか、採用によって確保しましょう。採用のほかにも、DX人材を保有する外部企業との連携によって、必要な人材を確保する選択肢もあります。
4.DX推進による業務改善では業務フローのマニュアル化を
ここまで、DX推進による業務改善について解説しました。業務改善で現状の業務フローが最適化されると、自社の強みを伸ばして新たな価値を生み出せる可能性があります。ご紹介したポイントを参考に、DXによる業務改善の実現を目指しましょう。
業務改善への取り組みの際は、初めに現状の業務フローを可視化して整理する段階があります。業務フローを可視化することで、重複した作業や、非効率なやり方をしている作業など、いわゆる無駄な作業を洗い出すことが可能です。無駄な作業を削減し、仕事の適切な進め方を検討することは、サービス品質や顧客満足度の向上といったメリットにもつながります。そこで活用できるのが、自動マニュアル作成ツールの「Dojo」です。マニュアル作成の工数を最大96%削減、研修コストを1,800万円削減するなど、デジタル化によって大幅なコスト削減を実現します。時間と手間のかかるアナログでのマニュアル作成のお悩みを解消できるのが魅力です。業務改善の施策でマニュアル作成を自動化するなら、ぜひ「Dojo」にお任せください。
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