企業が業務効率化を図る上で、業務マニュアルの作成は重要な仕事です。業務マニュアルの作成ツールにはさまざまな種類がありますが、一般的には「エクセル」か「ワード」が活用される場合が多いです。しかし、自社にとってどちらがより効果的なのか判断するためには、両者の違いを理解しなければなりません。代表的な特徴としては以下があります。
・ワードが向いている場合:文章中心で印刷する可能性があるもの
・エクセルが向いている場合:図形やグラフを用いて、複数のデータを管理するもの
そこで本記事では、業務マニュアル作成における両者のメリット・デメリットについて解説します。
INDEX
1.マニュアル作成にエクセルを使用するメリットとデメリット
まずは、マニュアル作成にエクセルを使用した場合のメリットとデメリットを確認しましょう。
1-1.エクセルの特徴
エクセルは、マイクロソフト社が販売しているオフィスソフトの1つで、以下のような特徴があります。
・表計算機能や関数、マクロ機能がある
エクセルは「表計算ソフトウェア」と呼ばれており、数値や統計データの計算を得意としています。さまざまな関数を操作することで、セルに入力した数値や式を自動的に計算し、合計や平均値などを求めることができます。また、マクロ機能(複数の業務を自動化する機能)を使えば、パソコン作業にかかる時間は大幅に削減されます。
・グラフの作成が比較的簡単にできる
グラフの作成機能を活用することで、数字の羅列だったものが視覚的に理解しやすいものになります。作成手順はシンプルで、グラフ化したい部分のセル(データ)を範囲選択し、挿入タブから作りたいグラフを選ぶだけです。
・セルに入力するので行と列の管理がしやすい
エクセルは、セルに文字や数字を入力する形式なので、データの整理が簡単です。また、行と列を追加する際には書式を自動的に引き継がせる機能があり、新しいデータが追加されても容易に対応できます。
1-2.マニュアルをエクセルで作成するメリット
マニュアル作成にエクセルを使うメリットは主に3つあります。
・表形式のマニュアルを作成しやすい
エクセルは表の作成が簡単であり、マニュアル内に表やグラフを取り入れたい場合はおすすめです。そのため、作業手順書やシステム仕様書を表形式で作る際は、エクセルの活用を検討すると良いでしょう。
・ページに区切りがなく自由に作成できる
エクセルには改ページ機能がなく、表の作成や画像の挿入を行いやすいです。スクリーンショットの貼り付けも可能なので、視覚的に分かりやすいマニュアルを作れます。
・タブ機能が使える
同じファイル内に複数のシートを作れます。例えば、作業工程ごとにシートを作って、同じファイルでまとめて管理することも可能です。情報が分かりやすく整理されるので、ユーザーが情報を見落とすリスクを減らせます。
1-3.マニュアルをエクセルで作成するデメリット
エクセルでマニュアル作成する注意点として、印刷に手間がかかることが挙げられます。エクセルはデフォルトでページの区切り設定がされておらず、途中で切れた状態になったり、無駄な箇所まで印刷されたりする可能性があるのです。これを防ぐには、印刷範囲設定を行うか、印刷に適した構成にする必要があります。
また、ワードに比べてスタイル設定が豊富でないのもデメリットです。他のオフィスソフトよりデザイン性で劣ることには注意してください。
2.マニュアル作成にワードを使用するメリットとデメリット
次に、ワードでマニュアル作成をする場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
2-1.ワードの特徴
ワードは、マイクロソフト社が販売している「文書作成ソフトウェア」のことで、以下のような特徴を持っています。
・文書作成に適している
ワードは文字中心の書類を作るのに適したソフトで、さまざまなビジネス文書を作成できます。書式の変更はもちろん、段落・行間を細かく指定することも可能です。
・簡易的に文章の添削をしてくれる
ワードには、文法や綴りを自動的にチェックする文章校正機能が備わっています。修正候補となる記載があれば下線で示してくれるので、効率的な修正ができます。
・目次の自動生成ができる
画面上部の参照設定タブから、目次を生成することができます。見出しと連動しているため、見出しの追加・修正があっても数クリックで目次が更新されます。
・デザイン性が高いものを作ることができる
フォント(文字デザイン)の自由度が高く、大きさやスタイルを変更できます。また、デザインタブからは、テーマや配色の設定が可能です。
2-2.マニュアルをワードで作成するメリット
印刷して紙で読むことを前提としたマニュアルを作成しやすいです。エクセルと違って印刷範囲を固定できるため、印刷でレイアウトが崩れるリスクを軽減できます。
また、デザイン性のあるマニュアル作成ができる点もメリットです。スタイル形式を利用すると、簡単に内容を整えることができます。スタイル形式とは、フォントの種類や段落の配置などをセットにしたもので、ホームタブのスタイルから選択可能です。エクセルと比べてデザインの選択肢が豊富だと言えるでしょう。
2-3.マニュアルをワードで作成するデメリット
ワードは、数字を扱うマニュアルには向いていません。自動計算や表計算機能がないため、違うツールを使用して計算したデータを用意する必要があります。エクセルのデータを貼り付けることもできますが、手間がかかるのが難点です。
また、1つのファイルで大量のページを作成すると動作が重くなる可能性があり、ファイルを分けて作成しなければなりません。
3.エクセルとワードに共通するメリットとデメリット
最後にエクセルとワード共通のメリット・デメリットについて解説します。デメリットを解消したい場合は、専用のマニュアル作成ツールを導入するのも選択肢の1つです。
3-1.エクセルとワードに共通するメリット
共通するメリットとしては、操作が簡単であることと導入費用が挙げられます。
・簡単にマニュアル作成ができる
操作方法の習得が必要ないことが多いです。エクセルとワードのどちらも使用した経験がある人は多く、誰でも手軽にマニュアルを作成できます。
・導入費用がかからないケースが多い
エクセル・ワードは、社内の業務用パソコンに標準装備されているケースが多く、購入費用が発生しません。ただし、標準装備されていなければ別途購入やサブスクリプション契約が必要なので、注意してください。
3-2.エクセルとワードに共通するデメリット
共通するデメリットとして、パソコン以外のデバイスからアクセスしづらいことや、統一感のあるマニュアルが作りにくい点が挙げられます。
・使用するデバイスによっては閲覧や編集の方法に違いがある
エクセルとワードを使用するにはライセンスが必要ですが、デバイスにソフトが入っていない場合はライセンス取得を行わなければいけません。無料で使用できるサービスもありますが、機能に制限がかかっていることが多いためです。
また、使用するデバイスによっては、閲覧、編集、情報共有などに支障が出る可能性もあります。実際に、スマートフォンなどのパソコン以外のデバイスでは、表示がずれることがあります。また、macOSなどWindows以外のOS上でマニュアルを開いたときも、見え方が変わるケースがあるのです。
・統一感のあるマニュアル作成が難しい
マニュアルの書き方や構成にブレが起こりやすいです。なぜならば、ワードとエクセルにはあらかじめ用意されたマニュアル用のテンプレートがなく、自由に作成できてしまうためです。複数のマニュアルを運用して統一感を出したい場合は、レイアウトの指定などを細かく指示する必要があります。
4.マニュアル作成でエクセルとワードのどっちを使用するかは目的によって選びましょう
業務マニュアルの作成には、エクセルとワードが使用される場合が多いですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。そのため、自社にマッチしたツールを選ぶには、業務マニュアルを作成する目的や運用方法を明確化する必要があります。
ツールの選び方や使い分けに迷われた際は、マニュアル作成ツール「Dojo」の活用をご検討ください。Dojoはエクセルやワードでも出力することができ、テンプレートを豊富に取り揃えており、誰でも統一感のあるマニュアルを作れます。また、動画マニュアル・eラーニングに対応しているのも特徴です。資料のダウンロードや無料トライアルもございますので、まずはお気軽にご連絡ください。
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